Eric Harland

Jazz Drummers of Today現代ジャズドラマー列伝Eric Harland / エリック・ハーランド / No,005

華のあるプレイと多彩なゲストを活かしきる編曲能力がほとばしる!
His flamboyant playing and ability to arrange music to make the most of his diverse guest list is evident!

Taylor Eigsti / Let It Come to You / 2008年
テイラー・アイグスティ  / レット・イット・カム・トゥ・ユウ
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Rhodes,Piano – Taylor Eigsti
Drums – Aaron McLendon (Tracks: 1, 6)
Drums – Eric Harland (Tracks: 2, 3, 4, 8, 9, 10, 11)
Bass – Harish Raghavan (Tracks: 1, 6)
Bass – Reuben Rogers (Tracks: 2, 3, 4, 8, 9, 10, 11)
Guitar – Julian Lage (Tracks: 3, 4, 5, 9, 10, 11)
Colombian Harp – Edmar Castaneda (Tracks: 7)
TenorSax – Joshua Redman (Tracks: 2)
TenorSax – Dayna Stephens (Tracks: 9, 10, 11)
Flute – Evan Francis (Tracks: 9, 10, 11)
TenorSax – Ben Wendel (Tracks: 9, 10, 11)

現代ジャズドラマー列伝 ≪ エリック・ハーランドの巻 ≫ 第5弾!

2006年に鮮烈なコンコード・デビューを果たし、
グラミー賞でも最優秀インストゥルメンタル作曲部門、
最優秀ジャズ・ソロ・パフォーマンス部門の2部門でノミネートされた23歳。
ピアニスト テイラー・アイグスティの2008年メジャー2枚目のアルバム。

文句なしにいいよ。

きのう紹介のアルバムは、ピアニスト&ギタリストのタッグが、
アーロン・パークス&マイク・モレノで素晴らしかったけど、
きょうのも、テイラー・アイグスティ&ジュリアン・ラージで、負けず劣らず素晴らしい。

4曲のオリジナルに加え、スタンダード、ジョビン、ウェイン・ショーター、パット・メセニーなどなど、幅広い構成と編曲の妙で飽きさせない。

2組のリズムセット、デュオ(アイグスティ&ラージ)からトリオ、
セプテット(フルート&テナー2本)まで使い分け、
多彩な技を披露しまくってる。

ラージは、11曲中6曲で貢献。
特に3曲目のバラードから4曲目の “Caravan” の流れで大いに見せ場を作る。

メセニーのオリジナルでマイケル・ブレッカーに捧げられ2曲目では、
ジョシュア・レッドマンが気炎を吐き、
7曲目のデュオは、上原ひろみとの共演で知られるハープ奏者のエドマール・カスタネーダが、異才を放つ。

セプテットの管は、エヴァン・フランシスのフルートに、
デイナ・ステファンズ&ベン・ウェンデルのサックスと贅沢極まりない。

もちろん、乗ってるハーランド&リューベン・ロジャースのリズム隊は、
最強と言ってもいい出来だし、
同世代のアーロン・マクレンドン&ハリシュ・ラガヴァンとの組み合わせでは、
トリオで2曲活きのいい演奏を披露。

疾走感、透明感、そしてミラクル。
全方位に発揮される才気は、後半の組曲での高いアレンジ力能力にまでおよぶ。
若き天才の才能ほとばしる一枚を、ご堪能あれ。

Eric Harland / エリック・ハーランド
– 1976年、テキサス州ヒューストン生まれ –

地元ヒューストンの有名なHigh School for the Performing and Visual Artを卒業。17歳の時にはプロとして演奏を始め、ワークショップでウィントン・マルサリスにNYで学ぶことを奨められマンハッタン音楽学校に入学、卒業後は、ヒューストン・バプティスト大学(聖書研究学部)で神学を学び、その後、牧師として叙階される。
ベティ・カーター、ジョー・ヘンダーソン、マイコイ・タイナー、マイケル・ブレッカー、テレンス・ブランチャード、ブランフォード&ウィントン・マルサリス、ウェイン・ショータなどと共演。2014-2016年シーズン、SFJAZZセンターのレジデント・アーティスティック・ディレクターを務め、現代のトッププレーヤーとしてジョシュア・レッドマン、デイヴ・ホランド、チャールズ・ロイド、ジェイソンモラン、クリスポッターらとの共演、あるいは自身のグループ「VOYAGER」での積極的な活動も評価が高い。
ハイピッチなチューニングが特長で、高速シングル・ストロークの流麗さやダイナミクスの幅広さに定評がある。彼の豊かな音楽性はソロプレイヤーやバンドの状況に素早く反応し、ピアニシモのコントロールやフレージングの速さも素晴らしい。また、彼の始めたタムの上にシンバルを乗せてたり、ハイハットにタンバリンを乗せてリズムを刻んだりする様々な試みは、いまやドラマーのトレンドとも言える。ジャズ・ドラマーとして最も多忙な1人。

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