Greg Hutchinson

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Greg Hutchinson / グレッグ・ハッチンソン/ No,001

ブライアン・ブレイドを紹介したら、同い年のこのヒトを取り上げないワケにはいかない。

Greg Hutchinson / グレッグ・ハッチンソン
(Gregory Hutchinson / グレゴリー・ハッチンソン)
– 1970年ニューヨーク、ブルックリン生まれ –

幼少期から両親に音楽的な影響を受けて育つ。
パーカッショニストの父親は、幼い彼をレゲエ・バンドに引き入れた。母親からは、膨大なレコード・コレクションを受け継いだ。ジャズ、ソウル、ファンクなど幅広いジャンルのアーティストを聴きながら、フィリー・ジョー・ジョーンズに憧れ、彼のように「ホーンで歌うようにドラムで歌いたい」と考えるようになる。

トランペット奏者レッド・ロドニーのサイドマンとして10代でプロデビュー。Manhatten School of Musicで学んだ後、ジャズ界の伝説的なアンサンブル・リーダー、ベティ・カーターに師事。カーターとの2年間の共演で頭角を現し、ロイ・ハーグローブ・クインテットでの活動で脚光を浴び、現在に至るまで成功を収める。

ベーシックな3点セットを好み、前に突っ込むような強力なオン・トップなスウィング感を信条とする。

さて、グレッグの1枚目は↑の説明にもある、ロイ・ハーグローブのこちら ↓。

Roy Hargrove / The Vibe / 1992
ロイ・ハーグローブ / ザ・ヴァイブ

ロイ・ハーグローブの90年代を代表するクインテットの誕生!
Roy Hargrove Quintet, the most iconic quintet of the ’90s is born!

Roy Hargrove / The Vibe / 1992

Trumpet – Roy Hargrove
Alto Saxophone – Antonio Hart
Bass – Rodney Whitaker
Drums – Greg Hutchinson
Piano – Marc Cary

Organ – ‘Cap’n’ Jack McDuff (tracks: 9)
Tenor Saxophone – Branford Marsalis (tracks: 6, 10), David “Fathead” Newman (tracks: 4)
Trombone – Ku-Umba Frank Lacy (tracks: 6, 8, 10)

90年代を代表するグループといえば、ロイ・ハーグローブ・クインテット。
ジャズが、混迷の時代に突入した時代を、
ひとり背負って立ったオトコとも言えるロイ・ハーグローブ。

その華のあるプレイとオトコ伊達は、
こじらせ系的なトップ・スターが多いなか、ひときわ輝いて見えた。

そんなハーグローブを、独自のグルーブで支えたドラマー、グレッグ・ハッチンソン。
ストレート・アヘッドで、奇をてらったことをやらないのに、
いつも、キレ味のいい利き手左手のリムショットがビシッと決まり、
カッコいいことこの上ない。高めのチューニングに心震える。

このアルバムのメンバーは、
もちろんトランペットのロイ・ハーグローブに
ドラムは、グレッグ・ハッチンソン。
アルトサックスが、アントニオ・ハートで、
ベースがロドニー・ウィタカー。
そして、ピアノがマーク・キャリーだ。
それにゲストとしてブランフォード・マルサリス以下4名が曲によって加わっている。

そうそう、
ベースのウィタカーとハッチンソンは、ベティ・カーター・グループの時からのコンビ。
2人でともに練習に明け暮れた仲らしい。

気心しれ、息もぴったしに快走するリズム隊。
そして、華のあるハーグローブの明瞭なサウンド。
時代を代表、あるいは超越する、これぞジャズなアルバム。

ゲスト(特にブランフォード)の曲だけが、しちめんどうに聴こえる対比も、
いまとなっては楽しめる1枚だ。

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