圧倒的なテクニックと表現力のブレッカー、火に油を注ぐかのような重戦車ワッツのドラミング!
Brecker’s overwhelming technique and expressive playing was complemented by the drumming of Watts, a heavy tank who seemed to add fuel to the fire!
Michael Brecker Quartet / Two Blocks From The Edge / 1998年
マイケル・ブレッカー・カルテット / ツゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ
Tenor Saxophone – Michael Brecker
Piano – Joey Calderazzo
Bass – James Genus
Drums – Jeff “Tain” Watts
Percussion – Don Alias
Producer – Joey Calderazzo, Michael Brecker
Composed By – Michael Brecker (Tracks: 1, 2, 7, 8, 9)
Composed By – Joey Calderazzo (Tracks: 3, 4, 5, ), Jeff “Tain” Watts (Tracks: 6)
Composed By – Hoagy Carmichael, Johnny Mercer (Tracks: 10)
最近は現代ジャズドラマー列伝、わりと最近の人やってたんで、
本日はひさびさ、 ≪ ジェフ・テイン・ワッツ 第6弾 ≫ といきましょ。
1998年のマイケル・ブレッカーの1枚。これまた、いい!
まさしくレジェンドのマイケル・ブレッカーは、ご存じサックス奏者。
1974年に兄ランディ・ブレッカーと『ブレッカー・ブラザーズ』としてデビュー。
80年代は主にフュージョン畑のファースト・コール・プレイヤーとして大活躍。
90年代は、その不動の位置を維持しつつも自身のリーダー・アルバムでは、
ガチのジャズを展開する唯一無二の存在として人気を博す。
2005年に病を明らかにし闘病生活に入り2007年に他界。
つまり、98年というのは油の乗りきった時期だったと言える。
このアルバムは、
盟友であるピアニストのジョーイ・カルデラッツォがプロデュースを務め、
ドラムがジェフ・テイン・ワッツ、
ベースが、ジェームス・ジナスという精鋭のレギュラー・カルテットに加え、
パーカッションにドン・アライアスが加わるという鉄壁の布陣での臨んだ1枚。
ブレッカーの圧倒的なテクニックと表現力。
火に油を注ぐかのような重戦車ワッツのドラミングとグルーヴ。
ラテンタッチでドラマチックに盛り上げるカルデラッツォ。
高速4ビート、ハードバップからモーダル怒濤のソロラッシュ。
哀愁のバラードにファニーなブルース、
珠玉のスタンダード “Skylark”まで、
どの曲をとっても心躍る名盤。いや〜最高!
Jeff “Tain” Watts/ジェフ・テイン・ワッツ
– 1960年ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ –
“Tain/テイン” は、ケニー・カークランドから付けられたニックネーム。
バークリー音楽大学でブランフォード・マルサリスと出会い1981年にウィントン・マルサリス・カルテットに参加し華々しくデビュー。
それまでの職人的なジャズ・ドラマーと違い、あらゆるジャンルのプレイが可能な先駆け的ドラマー。
幼い頃からロック、ファンク、ブルースなど様々な音楽を聴いて育ちクラシックやジャズをベーシックな基礎として学んで育った世代の筆頭。
爆発的なパワーとスピード、そして複雑なリズムのマスターであり変幻自在のドラミングが可能。
比類のないテクニック、うねるようなスイング感、希有なエレガンスがもたらす表現力は多彩かつ優雅で、ジャズの革新者と賞賛される現役世代最高のドラマー。