Tyshawn Sorey

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Tyshawn Sorey / タイショーン・ソーリー/ No,003

ギター優等生のサウンドが大きく変化。ラーゲ・ルンドのダークなファンタジー!
The sound of Guitar Honors has changed dramatically. Lage Lund’s dark fantasy!

Lage Lund / Terrible Animals / 2019年
ラーゲ・ルンド / テリブル・アニマルズ

Guitar, Effects – Lage Lund
Piano – Sullivan Fortner
Bass – Larry Grenadier
Drums – Tyshawn Sorey

≪ 現代ジャズドラマー列伝 タイショーン・ソーリーの巻 ≫ 第3弾。
ノルウェー出身のギタリスト、ラーゲ・ルンドのアルバム。

ルンドのこれまでの作品は比較的オーソドックスな作りでサウンドの方もアコースティック中心だった。

この作品もジャケットのデザインから、
前回踏襲スタイルだろうと思っていたら超ビックリ!
そのサウンドの変わりように驚いた。

まず、タイショーン・ソーリーの
どポリリズミックなドラムが雨あられと降りそそぐ。
そして、これまでなかったエフェクターの使用。
ギター・プレイ自体の音色もだけど、シンセが鳴っているように効果音、環境音的な使い方でも積極的に導入してる。
楽曲に、不穏でダークな空気あるいはパーカッシブな効果をもたらしている。

曲自体は以外とシンプルな作りが多く4ビートの曲も結構あるし、ちょっとこれまで感じた小難しさも消え壮快ささえ感じる。
なんか、この作品で一気にコンテンポラリー・ジャズの最前線に躍り出てきた感じにワクワクする。

バンド・メンバーは、先述のタイショーン・ソーリーにピアノがサリヴァン・フォートナー、そしてベースがなんとラリー・グレナディア。

サリヴァン・フォートナーは、米国でもっとも権威あるダウビート誌2019年のライジング・スター・ピアノ部門の1位を獲得してる人。

そしてラリー・グレナディアは、チック・コリアやパット・メセニーなど数々の大物との共演でも有名、言わずと知れたブラッド・メルドー・トリオの1人。

申し分ないメンツを得て新たに完成したラーゲ・ルンド・サウンド。
今後、現代ジャズのエッジをいく人として要注意なギタリストだ。

Tyshawn Sorey / タイショーン・ソーリー
– 1980年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ –

ドラマーであるとともに、作曲家、マルチ・インストゥルメンタリスト、現代音楽教授でもある。
ニューアーク芸術高校を卒業。2004年ウィリアム・パターソン大学でジャズ研究とパフォーマンス課程を修了し、クラシックトロンボーンを専攻した後、ジャズドラムに転向した。
2009年、ウェズリアン大学に入学し、2011年春に修士号を取得。秋にはコロンビア大学で博士課程を開始し、2017年作曲の音楽芸術博士号も取得。その後、ウェズリアン大学の音楽助教授に就任し、同大学でEnsemble for New Musicを設立し、作曲と即興音楽に関する講義を担当した。2017年秋には、音楽演奏と作曲における活動のためにマッカーサー・フェローシップを授与された。2020年には、ペンシルバニア大学の音楽学部学長補佐として教員に就任。
ドラムスタイルは、彼自身の作曲家、指揮者、マルチインストゥルメンタリストでもある音楽的背景が反映されており多様なパターンやリズムを繰り出し、時にはテクニカルで激しい演奏を見せながらも、繊細で美しい音楽を奏でる。
ジャズに限らず、現代音楽や即興音楽、クラシック音楽など、幅広い音楽ジャンルに精通しており、ドラム以外にもトロンボーン、ヴィブラフォン、チェロ、トランペット、ピアノなどを演奏することもあり、その多彩な音楽性が彼の音楽に深みを与えている。








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