Chris Dave

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Chris Dave / クリス・デイヴ / No,002

ロバート・グラスパー、デリック・ホッジのアルバムに先立つこと8年。2010年代のジャズに確実に影響をあたえたミシェル・ンデゲオチェロの1枚。
Eight years before the albums of Robert Glasper and Derrick Hodge, Meshell Ndegeocello has certainly influenced jazz in the 2010s.

Meshell Ndegeocello / The Spirit Music Jamia : Dance Of The Infidel / 2005
ミシェル・ンデゲオチェロ / ザ・スピリット・ミュージック・ジャミア:ダンス・オブ・ザ・インフィデル

Bass, Programmed By, Arranged By
Produced By – Meshell Ndegeocello
Bass – Matthew Garrison (tracks: 2, 4, 6, 7), Meshell Ndegeocello (tracks: 3, 4, 5, 7)
Drums – Chris Dave(tracks: 1, 4, 5, 8), Gene Lake(tracks: 2, 6), Dan Rieser (tracks: 3), Jack De Johnette(tracks: 7)
Percussion – Mino Cinelu (tracks: 2), Mino Cinelu (tracks: 7), Pedro Martine (tracks: 7), Yosvany Terry (tracks: 7)
Horns – Don Byron (tracks: 1), Joshua Roseman (tracks: 1), Oliver Lake (tracks: 1), Kenny Garrett (tracks: 2, 4, 5), Wallace Roney (tracks: 2), Ron Blake (tracks: 3), Oran Coltrane (tracks: 5), Don Byron (tracks: 7), Gregoire Maret (tracks: 7), Oliver Lake, Wallace Roney (tracks: 7)
Vocals – Cassandra Wilson, Lalah Hathaway, Sabina Sciubba
Piano – Michael Cain (tracks: 2, 5, 6, 7),Sabina Sciubba (tracks: 3), Neal Evans (tracks: 8)
Keyboards – Michael Cain (tracks: 1), Didi Gutman (tracks: 2, 3), Frederico González Peña (tracks: 4), Neal Evans (tracks: 5), Michael Cain (tracks: 8)
Guitar – Brandon Ross (tracks: 2, 6, 7)
Harmonica – Gregoire Maret (tracks: 2)
Programmed By – Meshell Ndegeocello (tracks: 1)
Vocals – Sabina Sciubba (tracks: 3), Cassandra Wilson (tracks: 6), Lalah Hathaway (tracks: 8)

≪ 現代ジャズドラマー列伝・クリス・デイヴの巻 ≫ 第2弾。
2005年リリース、ミシェル・ンデゲオチェロの名盤。

ミシェルは、M-Base出身の強靱なグルーヴを持ったベーシスト。自ら積極的にヴォーカルもとるしマルチ・プレーヤー、あるいはプロデューサーとしても辣腕を振るう才人。ジャズ、ファンク、ネオ・ソウルを垣根なく超えた音楽性で活躍している。

ミシェルと聞いて、まずオイラが真っ先に思い浮かぶのがこのアルバム。
そして、このアルバムを語るのに忘れていけないのが、クリス・デイヴの存在だ。

それにしても、2005年は早過ぎる。
グラミーにノミネートされてるので注目はされたはずだけど、当時はどんな感触だったのだろう。オイラはリアルタイムでこのアルバム聴いてないのでなんとももどかしい。

ミシェルは、それまでグラミーに何度かノミネートされてるけど、いずれもR&B関連部門。この作品でグイッとジャズによりに舵を切り、このアルバムはベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞のノミネートだった。
R&Bとジャズの垣根を横断した歴史の転換点を作ったと言っていいアルバム。

クリス・デイブ(ブラック・レディオ叩いてる人)が4曲叩いてて、
ジャック・ディジョネットまで叩いてる。

特になんだ、このグルーヴ!
クリスとミシェル(ベーシストです)の絡みは凄い。サックスはケニー・ギャレットだし、ボーカルはカサンドラ・ウィルソン、レイラ・ハサウェイ、サビーナ・シウバと超豪華。

どの曲も滋味深く、聴けば聴くほど凄さがジワジワくる。
なかには、ミシェル本人がベースさえ弾いてない曲もあるけど、楽曲をまとめ上げる力が半端ない感がありあり。

かといって、かしこまって聴く必要もなく、都会的な雰囲気はおしゃれピーポーにも受けの良さそうなサウンド。

ロバート・グラスパーの名作「ブラック・レディオ」やデリック・ホッジの名盤「Live Today」に明らかに影響をあたえてるアルバムだということは明確だ。

Chris Dave / クリス・デイヴ
– 1973年、テキサス州ヒューストンに生まれ –

幼い頃から教会でゴスペル・ミュージックに親しむ一方、マイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーンといった伝説的なジャズ・アーティストたちに心酔。ドラム・スティックは3才で手にし、中学生になるとプロとして演奏するようになる。ヒューストンの有名アート・ハイスクールへ入学。R&Bバンド、ミント・コンディションのレコーディングがプロとしてのキャリアのスタート。その後、ライオネル・リッチーやメアリー・JブライジといったR&Bアーティストやケニー・ギャレットのような一流ジャズ・アーティストのレコーディング・セッションに参加するようになる。
2009年、「ロバート・グラスパー・エクスペリメント」に初代ドラマーとして参加。2010年にマックスウェルの「BLACKsummers’night」でグラミー・最優秀男性R&Bアルバム賞を、2012年にアデルのセカンドアルバム「21」でグラミー・最優秀アルバム賞を獲得。2013年には、グラスパーのアルバム「Black Radio」でグラミー・最優秀R&Bアルバム賞を獲得。その後もエド・シーランやジャスティン・ビーバーの大ヒットアルバムに参加。2015年に参加したディアンジェロの「Black Messiah」で、最優秀R&Bアルバムに輝いた。
特にジャズとヒップを横断するスタイルと称されるドラミングは、Jディラのようなよれたビートを自在に操り、固定概念を覆す超個性的な技と熱量で無二のサウンドをつくり出す。



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