Dafnis Prieto

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Dafnis Prieto / ダフニス・プリエト/ No,004

ダフニス・プリエトのさらなる野心作は、ヴォーカル入りのトリオ!
Dafnis Prieto’s further ambitious work is a trio of vocals!

Dafnis Prieto / Proverb Trio / 2012
ダフニス・プリエト / プロバーブ・トリオ

Drums – Dafnis Prieto
Keyboards – Jason Lindner
Vocals – Kokayi

現代ジャズドラマー列伝、
気鋭のキューバ出身ドラマー ダフニス・プリエト、第4弾。
こちらは2012年のアルバム、今度はトリオ。

クレジットを見るまでもなく一聴して「おっ!キーボードは、ジェイソン・リンドナーか」と分かる電子音。

それから、ボーカリストは、グラミー・ノミネート経験もあるDJでラッパー、マルチアーティストのKOKAYI(コカイ?)。
ボーカルとドラムとキーボードという珍しいトリオ。

今度はボーカルものか!楽しそう、と聴いてると、
いや、こりゃちょっと実験的だぞ(ダフニス・プリエトだもんね)と、
だんだんアルバムの意図が伝わってくる。

ドラムとヴォーカルを抜くと楽曲の枠を形作るのは、
ほぼリンドナーのシンセのみということになるんだけど、
不思議と違和感ないし、いつもでは聴けないリンドナーのプレイにも舌を巻く。

おそらく、作編曲のプリエトと綿密に練り上げたモノなのだろう、
物足りなさを感じない引き算の美学。

また、コカイのヴォーカルというかラップというかヴォイス・パーカッションを織り交ぜたようなスタイルが、まさに1つの楽器として2人を刺激してゆく。
3人というシンプルさゆえ際立つエッジ。

どの楽曲も3人のインタープレイの密度が濃く、
聴き進めるごとに、ディープな世界がひろがってゆく。

別にシリアスという意味ではないけど、
聴いたことない音世界。

ん〜!ダフニス・プリエトやはりただ者ではない。
自身のレーベルになって、ジャケット・デザインもかっこいい!

Dafnis Prieto / ダフニス・プリエト
– 1974年、キューバ、サンタクララで生まれ –

幼少時からパーカッションとギターを学び、10代後半でハバナの国立音楽学校でクラシック音楽とアフロキューバン音楽を学ぶ。2000年にアメリカに移住し、数々の有名アーティストと共演しグラミー賞を含む数々の賞を受賞。
教育者としても熱心で、2005年から2014年までニューヨーク大学のジャズスタディーズの教員を務め、2015年にはマイアミ大学のフロスト音楽学校の教員になった。いまだ謎多きラテン・リズムの構造&可能性に迫った研究書も執筆。
キューバ音楽の影響とスイング感覚を基盤として、複雑なリズムパターンやポリリズムを駆使し、様々な音楽ジャンルとスタイルを融合させた独創的なドラミングに定評がある。またその活動範囲はドラム演奏に限らず、ダンス、映画、室内楽のための音楽も作曲も手がける才人。

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