Brian Blade

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Brian Blade / ブライアン・ブレイド / No,008

ギター&ドラムの織りなす美しいサウンドスケープ!
Beautiful soundscape with guitars and drums!

Wolfgang Muthspiel, Brian Blade / Friendly Travelers / 2007年
ウォルフガング・ムースピール, ブライアン・ブレイド / フレンドリー・トラベラーズ

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Guitar, Vocals, Producer, Mixed By – Wolfgang Muthspiel
Drums, Guitar, Vocals, Producer, Mixed By – Brian Blade

本日も、現代ジャズドラマー列伝 ≪ ブライアン・ブレイドの巻 ≫ 、第8弾。
2007年、ギタリスト ウォルフガング・ムースピールとデュオ作品。

このアルバムは、おもしろい。
というか、リリース当時は結構斬新だったのではないだろうか。
なんせギターとドラムのデュオだ(ギターは音を重ねてはいる)。

ブライアン・ブレイドのドラミングの大きな特徴、またはその功績は、
ドラマーの資質あるいはテクニックに、
情景描写力あるいはサウンドデザイン力といったものを新たに加えたことではなかろうか。

その多彩な技は、リズムを刻むだけでなく風景をも描写する。
ドラムの描くサウンドスケープ。

ブレイドのドラミングが、楽曲に躍動感のみならず、
ストーリーに起伏、抑揚といったものをあたえているし、
それに呼応して、いつになくアグレッシヴなムースピールのプレイがまたいい。

そんな、2人の良さが如実に現れたデュオ・スタイルの本作。
音階楽器どおしのデュオではなく、
ドラムとのデュオというスタイルもありなんだと世間を驚かせた一枚。

Brian Blade / ブライアン・ブレイド
– 1970年ルイジアナ州シュリーブポート生まれ –

9歳でヴァイオリンを始める。教会でゴスペルに親しみドラムを担当していた兄の影響で中学でドラムを始めた。
高校時代、ドーシー・サマーフィールド・ジュニアに師事し、コルトレーン、パーカー、マイルス、ブレイキー、モンク、エルビン・ジョーンズ、ジョニ・ミッチェルの音楽に傾倒。18歳でニューオーリンズに移り住み、ロヨラ大学に入学。1988年から1993年にかけてエリス・マルサリス等のニューオーリンズ在住の有名ミュージシャン達とセッションを交わす。
ジョシュア・レッドマン、ケニー・ギャレットのサイドマンとしてデビュー。
ジャズ・シーンの精鋭のみならず、ロック界の大御所のレコーディングにも参加。
1997年「ザ・フェロウシップ」バンドを結成し、2000年に入ってウェイン・ショーターのカルテット加入。2009年にはチック・コリアのグループまたトリオに参加。現在、最も多忙なジャズ・ミュージシャンのひとりとして世界を飛び回っている。
また、ジョニ・ミッチェルやノラ・ジョーンズなどヴォーカリストのパートナーとしても信頼が厚い。
しなやかで歌を感じさせるドラミング。
高度なテクニックを持ちながらも溢れる感性で常に全体のサウンドを考えたプレイに徹するスタイル。ドラマーというより音楽家としての姿勢が真摯で、何より楽しそうにプレイするその姿は、バンドメンバーばかりか聴衆を魅了して一つにしてしまう。

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