Kendrick Scott

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Kendrick Scott / ケンドリック・スコット/ No,004

オールスター的祝祭ながらも、緻密な情景描写と爽やかなストーリーで魅了する極上のステージ!
While an all-star celebration, it is a superb stage that describes a scene in detail and refreshing story!

SFJazz Collective / New Works & Classics Reimagined(Live from SFJAZZ Center 2022) / 2023年
SFジャズ・コレクティヴ / ニュー・ワークス&クラシックス・リイマジンド(ライヴ・フロム・SFJAZZセンター2022)

Tenor saxophone – Chris Potter
Tenor saxophone – David Sanchez
Trumpet – Mike Rodriguez
Vibraphone – Warren Wolf
Piano – Edward Simon
Bass – Matt Brewer
Drums – Kendrick Scott

本日は、現代ジャズドラマー列伝 ≪ ケンドリック・スコットの巻 ≫ 第4弾。
昨日のクリス・ポッター繋がり。

そういえばここ2・3日、来日公演がSNSで話題になってるな、
ということでひさびさ “SFJazz Collective” のアルバムを。
本作は、2022年のセンターでの定期ライブを収めたもの。

メンバーは、2021年から音楽監督を務めるサックスのクリス・ポッター。
ダブル・テナーが楽しみなデヴィッド・サンチェス。
トランペットにマイク・ロドリゲス、ヴィブラフォンでウォーレン・ウルフ。
ピアノのエドワード・サイモンに、ベースでマット・ブリューワー。
そして、ドラムのケンドリック・スコットといういずれも強者揃い。

もうね一聴して思うのは、これはラージ・アンサンブル ?! なことだ。
ヴァイブとピアノがあるとはいえ3管しかないのに、なんて豊かなサウンド。
それぞれの楽器が空間を緻密に埋めてゆくことで、
分厚さはないのに、それ以上の編成を思わせるアレンジメント。
まあ、SFメンバーになるくらい各自が匠級なので、こんなことが可能なのかな。

そりゃリハーサルも重ねてるかもだけど、
それぞれが多忙な身での1発勝負的なところもあるだろうに、この完成度。

その意味では、サウンドの趣はまるっきり違うとは言え、
昨日紹介の “Underground Orchestra” のようでもある。
ただ、ポッターはめちゃめちゃ吹いていながらも、それほど前に出ていなくて、
全体の構成と各自の個性を大切に扱っているようにも感じる。

もちろん3管だけでなく、ブリューワーのベースも素晴らしいし、
ウルフのヴァイヴの存在感も大きいし、
なによりサイモンがこのサウンドメイクに大きく貢献している気がする。
そして、ケンドリック・スコットのドラミングは、
リズム楽器という存在を越えて楽曲に彩りとストーリーと爽やかな風を吹かせている。

オールスター的祝祭ながら、緻密な情景描写と爽やかなストーリーで魅了する極上のステージが展開される。さすがのSFメンバー&音楽監督。

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