Brian Blade

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝 Vol,003

Brian Blade / ブライアン・ブレイド / No,001

きょうも現代ジャズドラマー列伝、3人目。
とりあえず時代順にあげていこうかな。

Brian Blade / ブライアン・ブレイド
– 1970年ルイジアナ州シュリーブポート生まれ –

9歳でヴァイオリンを始める。教会でゴスペルに親しみドラムを担当していた兄の影響で中学でドラムを始めた。
高校時代、ドーシー・サマーフィールド・ジュニアに師事し、コルトレーン、パーカー、マイルス、ブレイキー、モンク、エルビン・ジョーンズ、ジョニ・ミッチェルの音楽に傾倒。18歳でニューオーリンズに移り住み、ロヨラ大学に入学。1988年から1993年にかけてエリス・マルサリス等のニューオーリンズ在住の有名ミュージシャン達とセッションを交わす。

ジョシュア・レッドマン、ケニー・ギャレットのサイドマンとしてデビュー。
ジャズ・シーンの精鋭のみならず、ロック界の大御所のレコーディングにも参加。

1997年「ザ・フェロウシップ」バンドを結成し、2000年に入ってウェイン・ショーターのカルテット加入。2009年にはチック・コリアのグループまたトリオに参加。現在、最も多忙なジャズ・ミュージシャンのひとりとして世界を飛び回っている。
また、ジョニ・ミッチェルやノラ・ジョーンズなどヴォーカリストのパートナーとしても信頼が厚い。

しなやかで歌を感じさせるドラミング。
高度なテクニックを持ちながらも溢れる感性で常に全体のサウンドを考えたプレイに徹するスタイル。ドラマーというより音楽家としての姿勢が真摯で、何より楽しそうにプレイするその姿は、バンドメンバーばかりか聴衆を魅了して一つにしてしまう。

さて、それでは愛すべきブライアン・ブレイドの1枚目は、こちら。

Kenny Garrett / Black Hope / 1992
ケニー・ギャレット / ブラック・ホープ

ブレイキー、マイルスのバンドで育ったギャレットのカルテットで、若きブレイドが、その華々しいキャリアのスタートを切った記念碑。
With Garrett’s quartet, which grew up in the bands of Blakey and Miles, the young Braid is a monument to the start of his spectacular career.

Kenny Garrett / Black Hope / 1992

Alto Saxophone – Kenny Garrett (tracks: 1 to 3, 6, 8, 10 to 12)
Soprano Saxophone – Kenny Garrett (tracks: 4, 5, 7, 9)
Tenor Saxophone – Joe Henderson (tracks: 1, 3, 11)
Bass – Charnett Moffett (tracks: 1 to 11)
Drums – Brian Blade (tracks: 1 to 7, 10, 11), Ricky Wellman (tracks: 8, 9)
Percussion – Don Alias (tracks: 1, 2, 4, 5, 7 to 9)
Piano – Kenny Kirkland (tracks: 1, 2, 4 to 11)
Synthesizer – Donald Brown (tracks: 5, 8), Kenny Kirkland (tracks: 8, 9)
Written-By – Kenny Garrett (tracks: 1 to 10, 12), M. Dixon (tracks: 11), R. Henderson (tracks: 11)

ブライアン・ブレイドより10歳年上のケニー・ギャレットは、マイルス・バンド最後のサックスマンとして有名。

このアルバムは、
ピアニストのケニー・カークランド、
ベーシストのチャーネット・モフェット、
ドラマーのブライアン・ブレードでのカルテットに加え、
テナー・サックスの巨匠ジョー・ヘンダーソン、
パーカッションの巨人ドン・アライアスが参加している。

のっけから軽快な4ビートにノリノリ。
2曲目の哀愁をおびたボッサも聴かせる。
3曲目では、ヘンダーソンとギャレットのカウンター合戦が見事。
そのあとも退屈させない。

4ビートだけではなくモフェットがエフェクターをかけたベースをプレイ。
そしてシンセも使用され浮遊感あふれる空間があらわれる。

軽やかでエネルギッシュ、そして現代風に傾いたかと思ったところで4ビートに着地。
最後まで飽きさせないテクニックとバランス感覚は見事だ。

ブライアン・ブレイドのドラミングは、
駆け出しの若造(当時22歳)とは思えない早熟したプレイ。現在にも続くそのスタイルは、すでに完成されてる。

アップテンポでもスローでも、楽曲に深みをもたらし盛り上げる技は的確だし、
本人もそしてメンバーも楽しそうにプレイする様が目に浮かぶような好演だ。

ブレイキー、マイルスのバンドで育ったギャレットのカルテットで、若きブライドがその華々しいキャリアのスタートを切った記念碑的1枚。

ブライアン・ブレイド 関連作品は、こちらから

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