Mark Guiliana

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Mark Guiliana / マーク・ジュリアナ / No,003

重力から解き放たれジャズの可能性を大きく拡張した1枚!
This is a piece that has been freed from gravity and greatly expanded the possibilities of jazz!

Donny McCaslin /Casting for Gravity / 2012年
ダニー・マッキャスリン  /  キャスティング・フォー・グラヴィティ

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Tenor Saxophone – Donny McCaslin
Drums – Mark Guiliana
Electric Bass – Tim Lefebvre
Electric Piano, Piano, Synthesizer – Jason Lindner
Producer, Vocals, Synthesizer – David Binney
Written-By – Donny McCaslin (Tracks: 1 to 3, 5, 7 to 10)

現代ジャズドラマー列伝 ≪ マーク・ジュリアナの巻 ≫ 第3弾!

本作は、ダニー・マッキャスリン2012年の作品。

カッコいいジャケット、イラストってめずらしい。
まったく、ジャズらしくない。

本作は2006年 “Soar” からの3作とは、大きく舵を切った作品。
なんといってもドラムがマーク・ジュリアナになった。
そして、キーボードのジェイソン・リンドナー、
ベースがティム・ルフェーブルと現在にいたる布陣が出来上る。

ダニーのリズム面でのアプローチが、
いっそう、マークのドラミングから刺激を受けて楽曲の幅を拡げているのではないか。

このアルバムは、なにかダニーとマーク、
サックスとドラムの一騎打ち的な側面もあってニヤニヤする。

マイルス・デイヴィスのネフェルティティのような、
ドラム・ソロではないけど、他の楽器が同じリフを繰り返し、
ドラムだけが自由に動き回るような展開がいたるところ現れ。
もう、うれしい限り。

ダニーの書く曲はキャッチーでカッコいいので、楽曲にすぐに引き込まれる。

ジャズという重力から解き放たれたようなメンバーの自由さ。
2012年 “Black Radio” と同年にリリースされた、
別ベクトルではあるけど、やはりジャズの可能性を大きく拡張した1枚。

Mark Guiliana / マーク・ジュリアナ
– 1980年、ニュージャージー州生まれ –

15歳の時、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリペッパーズを聞いてドラムを始める。地元のドラマーから5年間レッスンを受け、ドラムを始めて2~3年頃からジャズドラムに専念。ウィリアム・パターソン大学でジョン・ライリーに師事、2003年にジャズ研究とパフォーマンスの学位を取得して卒業。
アヴィシャイ・コーエンのバンドで頭角を現し、その後マリア・シュナイダー、ブラッド・メルドーとのデュオ “メリアナ”、デヴィッド・ボウイの遺作『★(Blackstar)』を支えるバンドに抜擢されグラミー賞授賞式では、バンドメンバーとして登壇し5部門を受賞、その活躍は多岐に渡る。
近年は”ビート・ミュージック”をテーマにした作品をリリース。ジャズ、そしてビート・ミュージックと、ジャンルを超え活躍。
マシンライクなドラミングで有名だが、自身のアコースティックなジャズ・カルテットでもジャズを更新し続ける。拡張するジャズシーンの中でも最前線といえるドラマー。

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