Saxophon player's albums

Will Vinson / Four Forty One / 2020年
ウィル・ヴィンソン / フォー・フォティ・ワン / No,2311

アルト・サックス奏者ウィル・ヴィンソン、
5人のピアニストへのラブレター集。

Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
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Saxophone, Producer – Will Vinson
Piano –
Sullivan Fortner
Gerald Clayton
Tigran Hamasyan
Fred Hersch
Gonzalo Rubalcaba
Bass –
Matt Brewer
Matt Penman
Larry Grenadier
Drums –
Obed Calvaire
Billy Hart
Clarence Penn
Jochen Rueckert
Eric Harland
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火曜日にアントニオ・サンチェス繋がりで紹介したアルト・サックス奏者ウィル・ヴィンソンの最新作を紹介。

これは、なんと5人(タイトルからてっきり4人だと思った)のピアニストを迎えたオムニバス的アルバム。
サリヴァン・フォートナー、ティグラン・ハマシアン。
ジェラルド・クレイトン、フレッド・ハーシュ。
ゴンサロ・ルバルカバ、とまあ豪華。
いずれも重要人物。

それぞれのピアニストにリズム隊が固定なのかと思いきや、ドラマー、ベーシストも曲によって入れ替わってる、ややこしい。

ベーシストの顔ぶれは、
マット・ブリューワー、マット・ペンマン、そしてラリー・グレナディア。

ドラマーは、
オベド・カルヴェール、クラレンス・ペン。
ヨッヘン・ルカート、エリック・ハーランド、
そして何と大御所ビリー・ハート(79歳)となる。

いやはや、なんとも豪華極まりない。
ウィル・ヴィンソンのキャリア、実力、そして信頼のなせる技だ。

内容はというと、どんな凄い技の競演があるのかとおもうと、いがいとゆったりした曲が中心だ。

デュオ曲を1曲やったあとに同じピアニストでリズム入りの曲が入るという念の入ってつくりになっていて、あたかもピアニストへのラブレター集。
ウィル・ヴィンソンが、ピアノとの対話を心から楽しんでいるかのようなアルバムとなっている。
クレジットの名前を確かめながら、ピアニストによる個性の違いを味わう悦楽。

しかしながら、オイラはついついリズム、とくにドラミングの方に耳がいってしまう。なかでも最初に叩いてるオベド・カルヴェールが好きだ。

2曲目には大注目。
この人の、こんなポリリズミックなタイム感覚がたまらなく好きだ。

たぶん、人によって違う曲が同時に鳴っているような錯覚に「聴き辛い、集中できない」などの違和感があまり心地よくないかもしれない。

オイラは、この錯綜感にうっとりする。
足下の地面が崩れ落ちて浮遊するような、
タイムリープするように時間感覚が曖昧になってゆくような。
ああ、音楽を止めないでほしい。カルヴェール、ラヴだ。

あ、エリック・ハーランドの10曲目もいいよ!









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