Justin Brown

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Justin Brown / ジャスティン・ブラウン / No,002

アキンムシーレが、2010年以降の主役の座を完全に射止めた驚愕の1枚!
Akinmusire is a stunning piece of work that has completely taken its place as the star of mainstream jazz since 2010!

Ambrose Akinmusire / When The Heart Emerges Glistening / 2011
アンブローズ・アキンムシーレ / フェン・ザ・ハート・エマージェス・グリスニング

Trumpet, Celesta, Voice, Producer – Ambrose Akinmusire
Tenor Saxophone – Walter Smith III
Bass – Harish Raghavan
Drums – Justin Brown
Piano – Gerald Clayton
Written-By – Ambrose Akinmusire (Tracks: Except 2 & 11)

さて、今日は現代ジャズドラマー列伝 ≪ ジャスティン・ブラウンの巻 ≫ 第2段。

アンブローズ・アキンムシーレのセカンド。
ファーストは “Fresh Sound” からだったけど、
このアルバムは “Blue Note” に移籍しての作品。

メンバーは、
サックスのウォルター・スミス3世、
ピアノのジェラルド・クレイトン、
ドラムのジャスティン・ブラウン、
ベースがハリシュ・ラガヴァンと生え抜き揃い。

たしか、アキンムシーレをこのアルバムで初めて聴いて、
いきなり心臓を鷲づかみにされたことを憶えてる。

なんだ!このペットの音は。
初めて “直立猿人” を聴いた時の驚きにも近い。

アキンムシーレの楽器からは、
肉声にも近い、あるいはトランペットとも思えないような多様な音が絞り出される。

テクニックを超えた「魂の叫び」(それが “Heart Emerges Glistening” なのか)が、胸を打つ。
クレイトンの美しいフレーズが紡ぐ、
対比的だけどこちらも申し分ないウォルター・スミスとの絶妙な絡みとダークで不思議な響き。
また、ラガヴァンとブラウンが作り出す重心の低いグルーヴ。
アキンムシーレのみならず、このグループの作り出す空間は、
高次元かつ、驚きに満ちている。

知的でクールな響きを纏ってるけど、
むちゃくちゃ直球ど真ん中の剛速球と言っていい内容。
2010年以降の主役の座を完全に射止めた感ある驚愕の1枚。

Justin Brown / ジャスティン・ブラウン
– 1984年、カリフォルニア州リッチモンド生まれ –

ゴスペルのオルガン奏者である母親と、それを支える父親によって幼い頃から音楽に親しむ。10歳のとき、カリフォルニア大学バークレー校のヤング・ミュージシャン・サマー・プログラムでレッスンを受ける。2002年、奨学金を得てユニバース・オブ・パシフィックのデイヴ・ブルーベック・インスティテュートで学ぶ。当時のディレクターはクリスチャン・マクブライド。ヨスバニー・テリーと出会い彼のすすめで2004年にニューヨークのへ移住。ケニー・ギャレット、クリスチャン・マクブライドらと共演、研鑽を積む。
2012年にセロニアス・モンク・コンペティションで2位を獲得。ジェラルド・クレイトンのトリオに参加。アンブローズ・アキンムシーレのグループ、ウォルター・スミス3世のクインテットの常連として活動。また、サンダーキャットなどエレクトリックな音楽でも多方面な活躍をみせる。
複雑なリズムもサラッとこなすパワーとスピードを兼ね備え、ゴスペルに通じるドラムを叩くのが特長。


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