Jeff "Tain" Watts / ジェフ・テイン・ワッツ

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jeff “Tain” Watts / ジェフ・テイン・ワッツ / No,001

きょうから、ドラマーを追っかけながらアルバムを紹介するコーナーを開始。
(なんせ、ドラム好きなもので)

まずは、オイラとほぼ同世代。デビュー時からリアルタイムで聴いてきたこのヒトから始めたい。

Jeff “Tain” Watts/ジェフ・テイン・ワッツ
– 1960年ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ –

“Tain/テイン” は、ケニー・カークランドから付けられたニックネーム。
バークリー音楽大学でブランフォード・マルサリスと出会い1981年にウィントン・マルサリス・カルテットに参加し華々しくデビュー。

それまでの職人的なジャズ・ドラマーと違い、あらゆるジャンルのプレイが可能な先駆け的ドラマー。

幼い頃からロック、ファンク、ブルースなど様々な音楽を聴いて育ちクラシックやジャズをベーシックな基礎として学んで育った世代の筆頭。

爆発的なパワーとスピード、そして複雑なリズムのマスターであり変幻自在のドラミングが可能。

比類のないテクニック、うねるようなスイング感、希有なエレガンスがもたらす表現力は多彩かつ優雅で、ジャズの革新者と賞賛される現役世代最高のドラマー。

そして今日のアルバムは、こちら。

Wynton Marsalis / Wynton Marsalis / 1982年
ウィントン・マルサリス / ウィントン・マルサリス

二十歳のオイラが、完全にノックアウトされた1枚。新旧の才能が集結した鮮烈なアルバム。
This is one album that completely knocked me out when I was 20 years old. This is a brilliant album that brings together old and new talent.

Wynton Marsalis / Wynton Marsalis / 1982

Trumpet – Wynton Marsalis
Saxophone – Branford Marsalis (tracks: 1 to 5, 7)
Bass – Charles Fambrough (tracks: 7), Clarence Seay (tracks: 1, 2), Ron Carter (tracks: 3, 4, 5, 6)
Drums – Tony Williams (tracks: 3, 4, 5, 6), Jeff “Tain” Watts (tracks: 1, 2, 5)
Piano – Herbie Hancock (tracks: 3, 5, 6), Kenny Kirkland (tracks: 1, 2, 7)
Producer – Herbie Hancock

このウィントン・マルサリスのデビュー・アルバムが1982年ということは、
ジェフ・テイン・ワッツは、リリース時22歳だったことになる。
ワッツにとっても事実上のデビューアルバム。

マルサリスは、ワッツの1歳年下。すでにアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに加入して人気急上昇。1981年ライブ・アンダー・ザ・スカイに出演のため、ハービー・ハンコックのバンドの一員として初来日を果たし、その時このアルバム中の4曲は六本木のスタジオでレコーディングされている。

その為もあるが、ゲストとしてハービー・ハンコック、トニー・ウィリアムス、
ロン・カーターという当時最高峰のレジェンドが参加してマルサリスのデビュー・アルバムに花を添えている。

いま聴いても、ほれぼれするような名盤。このうえなく気持ちいい。
最高のキレ、テクニック、そしてグルーヴがここにある。

トニー・ウィリアムスが4曲叩いているので、どうしても影に翳みがちだが、
我らがジェフ・テイン・ワッツも1曲目で重戦車のようなパワフルさで気を吐いている。
クールでカミソリのようなマルサリスのトランペットとの対比が楽しい。

マルサリス・バンドの他のメンバーはというと、
サックスが、ご存じブランフォード・マルサリス兄貴。
ベースが、クラランス・セイとチャールズ・ファンブロー(1曲)。
そしてピアノのケニー・カークランドだ。

新旧の才能が集結した鮮烈なアルバム。
二十歳のオイラも、完全にノックアウトされた1枚。

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