Marcus Gilmore

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Marcus Gilmore / マーカス・ギルモア / No,006

現代ジャズ・ギターの旗手ギラッド・ヘクセルマンの4作目!
Fourth album by contemporary jazz guitar stalwart Gilad Hekselman!

Gilad Hekselman / This Just In / 2013年
ギラッド・ヘクセルマン / ディス・ジャスト・イン

Guitar, Synthesizer, Glockenspiel, Produced By – Gilad Hekselman
Bass – Joe Martin
Drums – Marcus Gilmore
Tenor Saxophone – Mark Turner (Track: 2, 9, 13)
Composed By – Alan Parsons (Tracks: 10), Dan Grolnick (Track: 9), Eric Woolfson (Track: 10), Gilad Hekselman (Track: 1 to 8, 11 to 13)

現代ジャズドラマー列伝 ≪ マーカス・ギルモアの巻 ≫ どんどんいこう第6弾!

ギタリスト、ギラッド・ヘクセルマンのアルバム。
これは、2013年デビューから4作目。

ドラムのマーカス・ギルモアとベースのジョー・マーチン、
そしてサックスのマーク・ターナーというメンバーは、
前作の “ Hearts Wide Open ” と同じ。
基本はトリオで、3曲だけマーク・ターナーが加わっている。

なんかヘクセルマンのギターというか、このアルバムを聴いてると、
つくづくジャズ・ギターが新たなフェーズに入ったというか、
時代が変わったというか進んだという感慨が深い。

コードワークもなんだかピアニストのようであり、
かつシンセも使うところがマルチ・キーボーディスのようでもある。

シングル・ラインもなにか幾何学的なリズムを多用しながら、
これまでのギター・プレイヤーとは明らかに一線を画す。

調整も迷い込むような浮遊感の中でたっぷりと情感あふれさせたかと思うと、
ノイジーに複雑なキメを淡々とこなす。

ギルモア&マーチン・コンビのグルーブが強烈で、
一聴難解そうな音楽もついつい引き込まれて聴いてしまう。

ヘクセルマンは、繊細でいて控えめというか、ぐいぐい全面に出てくるタイプではない。
しかし、でもその卓越したクリエイティヴィティが、
周りを自ずと巻き込んでゆくというタイプなのかな。
気づくといつのまにか彼のギターから耳を離せないでいる。

彼らの音楽が、どこから生まれて、そしてどこを目指すのか。
3人のリズムの交差点はどこなのか。
いま誰が起点で、どう展開してゆくのか。
などなど、考えても分からない問いが次々と現れては消えてゆく。
ギルモアのドラミングは、終始ヘクセルマンとの対話を楽しんでいるようで、
まさしくインタープレイの悦が感じられる新たな感覚のギター・パフォーマンスだ。

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