Jorge Rossy

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ / No,002

Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ
– 1964年バルセロナ生まれ –

バルセロナ生まれのホルヘ・ロッシは、80年代からスペインのジャズ・シーンでドラマーとして活動していた。
トランペットを学ぶためにバークリー音楽大学に進んだものの、ボストンでもドラマーとしての才能に注目されダニーロ・ペレスのトリオに抜擢された。90年代初頭にニューヨークに移ると、ブラッド・メルドーと出会い、彼の初リーダー作 “Introducing Brad Mehldau” に参加して以来、約10年間メルドー・トリオに在籍。
スタンダード曲を変拍子で快適に演奏することは、南米やアフロ・キューバンのリズムを熱心に研究していたロッシからの影響が大きかったとメルドーは指摘している。

ドラマーとしてカート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、クリス・チークらに重用されたロッシだったが、ピアニスト・作曲家としての自らの可能性についても探求し続け、近年はヴィブラフォン・クインテットを結成し、精力的な活動を行っている。
Blue Note Club: 文 / 原 雅明 より抜粋 )

軽くて繊細なタッチと正確な拍子感、
何より「音楽的ドラミング」と称せられる独特なタッチとバランス感覚は見事。
バンドの各自の音について、非常に高度な聴く耳を持ったドラマー。

現代ジャズドラマー列伝 ≪ホルヘ・ロッシの巻≫ 第2弾は、こちら ↓。

Mark Turner / Yam Yam / 1995
マーク・ターナー / ヤン・ヤン

新時代のジャズを創るという気概に溢れたマーク・ターナーの初リーダー作品!
Mark Turner’s first album as a leader, full of determination to create a new era of jazz!

Mark Turner / Yam Yam / 1995

Tenor Saxophone – Mark Turner
Tenor Saxophone – Seamus Blake (Tracks: 7), Terence Dean (Tracks: 7)
Guitar – Kurt Rosenwinkel
Piano – Brad Mehldau
Bass – Larry Grenadier
Drums – Jorge Rossy

まず、メンツを言っとくと、

テナーサックスのマーク・ターナーに、
ギターのカート・ローゼンウィンケル。
そしてピアノがブラッド・メルドーで、
ベースがラリー・グレナディアに、
ドラムがホルヘ・ロッシというメンバー。

つまり、マーク・ターナーとカート・ローゼンウィンケルの双頭に
メルドー・トリオがバックという凄い組み合わせ。
まあ、でもこの時は全員若手で、
同世代で何かオモロいことやってみよ!的な感じだったのかな。

ターナーのテナーの独自の音色、
これまで先人が肉声に近づけるかのように研ぎ澄ませてきたものとは明らかに違う、
かといってクラシック音楽の理想とも異なる独自の美意識の表れたソレと、
ローゼンウィンケルのギターの音色が異様にマッチしてる。

というか、やはりこのギターの音色は当時ショッキングだったかもしれない。
いままでのどんなギター・サウンドとも違うし、
ホーン的にもシンセ的にも聞こえる不思議サウンド。

そんな2人の織りなす世界。
そして、完璧なサポート陣。
いや単なるサポートにとどまらない意外性。

いまでこそ当たり前になった変拍子の嵐(いやまったく戦闘的ではないよ)の中で展開されてゆく、コンテンポラリーな浮遊感覚。

20代だからこそのチャレンジングな姿勢と気合い、
そして誰ひとりとして欠けていたら成り立たなかったであろう才能の邂逅。

いまなお、あまり見当たらないサウンド。
同じメンツでの再演を聴いてみたいサウンドだ。

ちなみに “Yam Yam” をググったら、
幼児言葉の「おいちぃ~」だと出てきた。
これって合って いるのでしょうか ?!

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