Ulysses Owens Jr.

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Ulysses Owens Jr./ ユリシーズ・オーウェンズ・ジュニア/ No,001

Ulysses Owens Jr. / ユリシーズ・オーウェンズ・ジュニア
– 1982年、フロリダ州ジャクソンビル生まれ –

3歳でドラムを始め、若い頃は教会での経験を中心に様々な音楽を演奏した。10代前半にはジャズ・ミュージシャンになることを決意し奨学金を得てジュリアード音楽院で学ぶ。

カート・エリングやクリスチャン・マクブライド・ビッグバンドのグラミー賞を受賞、さらにジョーイ・アレキサンダー、クリスチャン・マクブライド・トリオ、ジョン・ビーズリーのモンク・エストラ、グレゴリー・ポーターとの5枚のグラミー賞ではノミネートされている。

多彩なビートとテンポを使い、シンプルな編成でも際立つドラムスを展開する。クリス・マクブライドにも称賛される技術と才能を持ち、コンテンポラリー・ジャズから伝統的なスタイルまで幅広いジャンルに対応。自らの名を冠したビッグバンドも主宰する。

彼の著作は、アマゾンの音楽ビジネス、芸術、起業家精神のカテゴリーでトップ5入りを果たし、著者、音楽家としての活動に加え、ジュリアード音楽院でスモール・アンサンブル・ディレクターとして教鞭をとっている。
また慈善団体 “Don’t Miss A Beat” の共同設立者であり芸術監督でもある。

1995年から取り組んだビッグ・バンドへの研究が、ついに花開いたグラミー受賞作品!
McBride’s research into big bands, which he has been working on since 1995, has finally blossomed into a Grammy-winning work!

Christian McBride Big Band / The Good Feeling / 2011年
クリスチャン・マクブライド・ビッグバンド / ザ・グッド・フィーリング

Bass, Produced By, Arranged By, Conductor – Christian McBride
Drums – Ulysses Owens, Jr.
Piano – Xavier Davis
Alto Saxophone, Flute – Steve Wilson, Todd Bashore
Baritone Saxophone, Bass Clarinet – Carl Maraghi
Bass Trombone – Doug Purviance
Tenor Saxophone – Loren Schoenberg (Tracks: 2, 8)
Tenor Saxophone, Flute – Todd Williams
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Flute – Ron Blake
Trombone – James Burton, Michael Dease, Steve Davis
Trumpet – Frank Greene, Freddie Hendrix, Nabate Isles, Nicholas Payton
Vocals – Melissa Walker (Tracks: 4, 7, 9)

きょうは、現代ジャズドラマー列伝で新しいヒト。
ユリシーズ・オーウェンズ・ジュニアの登場。

このアルバムは、2011年のクリスチャン・マクブライド・ビッグバンドのアルバム。
グラミー受賞作だ。ユリシーズは、この2年前2009年にもヴォーカリスト カート・エリングの作品でもグラミーを経験してる。

オーウェンズは、このあとのキャリアでもマクブライドにビッグバンドそのほかのプロジェクトに起用され秘蔵っ子と言っても過言ではないほど愛されている。

グルーヴ・マスターとも言えるベーシスト、マクブライドにその片腕として起用されるドラマーだ。オーウェンズには、やはり特別な何かを持っているだろう。

さて、このアルバムは、もちろん素晴らしい。グラミー受賞は伊達じゃない。
ド直球のビッグバンド・サウンドで冒頭から攻めていい気分にさせてくれる。
4曲目、マクブライドのアルコで始める美しいヴォーカル曲は、彼のパートナーであるメリッサ・ウォーカー。

次の5曲目は、現代的なエッセンスを盛り込んだ組曲的大作、
そのタイトル名も “Science Fiction” 。
以降も、様々なエッセンスを混ぜ込みながらもパンチのある正統派サウンドで楽しませてくれる。
メリッサのヴォーカルでしっとり、あるいは寛いだり緩急つけながら、
1つのステージであるかのように飽きさせない。
作編曲の才もなかなかのものだし、各ソリストも申し分ない。
オーウェンズの切れあるドラミングも見事。

1995年からビッグバンドについて研究を始めたというマクブライド。
その努力がついに花開いた会心の一撃、まさしく“Good Feeling” な1枚。

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