Eric Harland

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Eric Harland / エリック・ハーランド / No,004

21世紀のピアノ・ジャズの名盤として、確実に歴史に刻まれるであろう1枚!
This is one of the great piano jazz recordings of the 21st century that will surely go down in history!

Aaron Parks / Invisible Cinema / 2013年
アーロン・パークス / インヴィジビル・シネマ

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Piano,Producer – Aaron Parks
Keyboards – Aaron Parks (Tracks: 3, 5, 6 and 8)
Mellotron, Glockenspiel – Aaron Parks (Tracks: 3)
Written-By, Composed By – Aaron Parks
Bass – Matt Penman
Drums – Eric Harland
Guitar – Mike Moreno

現代ジャズドラマー列伝 ≪ エリック・ハーランドの巻 ≫ 第4弾!
きょうは、2007年にアーロン・パークスが歴史にその名を刻んだ1枚。

天才ピアニストと言われる人は幾人かいるけど、このアーロン・パークスは天才の種類がちょと違ってる。ホンマもんの天才というかダ・ヴィンチ・タイプ。

0歳から家にあったピアノを弾き始め、13歳でワシントン大学に早期入学し、数学、コンピューター科学、音楽を専攻。その後14歳の時に参加したジャズのワークショップで音楽の才能が認められ、16歳でマンハッタン音楽院に編入。初リーダー作『The Promise』を録音する。

なぜ天は、1人に2ブツあるいは幾つもの才をあたえるのか、オイラにも、その欠片が欲しい。

このアルバムはパークス24歳、ブルーノートからのメジャーデビュー・アルバム。
ベースに前回紹介のマット・ペンマン、ドラムにエリック・ハーランド、
そしてギターのマイク・モレノと盟友をそろえ収録。

メンバーの息もぴったり。
美しいアーロンのピアノもそれだけにとどまらず、
従来のピアノとは、明らかに文法が違うミステリアスなヴォイシング。

切なくうたうマイク・モレノのギターも、まさしくアーロンとの方向性が一致してるようで、
ひとつの世界観を作り出すのに成功している。

そして、エリック・ハーランドの乾いた硬質なサウンド。
これまでのどの作品でもなかった新たなドラムサウンドは、
若き才能(ハーランドより7歳若い)に触発されたかのよう。
アーロンとの対比というか対峙にゾクゾクする。

10年経った今でさえ、まったく輝きを失わない、時代を切り開いた聴くほどに魅力を増す名盤。
21世紀のピアノ・ジャズの歴史にデビュー作でその名を刻んだアーロン・パークスの1枚。

Eric Harland / エリック・ハーランド
– 1976年、テキサス州ヒューストン生まれ –

地元ヒューストンの有名なHigh School for the Performing and Visual Artを卒業。17歳の時にはプロとして演奏を始め、ワークショップでウィントン・マルサリスにNYで学ぶことを奨められマンハッタン音楽学校に入学、卒業後は、ヒューストン・バプティスト大学(聖書研究学部)で神学を学び、その後、牧師として叙階される。
ベティ・カーター、ジョー・ヘンダーソン、マイコイ・タイナー、マイケル・ブレッカー、テレンス・ブランチャード、ブランフォード&ウィントン・マルサリス、ウェイン・ショータなどと共演。2014-2016年シーズン、SFJAZZセンターのレジデント・アーティスティック・ディレクターを務め、現代のトッププレーヤーとしてジョシュア・レッドマン、デイヴ・ホランド、チャールズ・ロイド、ジェイソンモラン、クリスポッターらとの共演、あるいは自身のグループ「VOYAGER」での積極的な活動も評価が高い。
ハイピッチなチューニングが特長で、高速シングル・ストロークの流麗さやダイナミクスの幅広さに定評がある。彼の豊かな音楽性はソロプレイヤーやバンドの状況に素早く反応し、ピアニシモのコントロールやフレージングの速さも素晴らしい。また、彼の始めたタムの上にシンバルを乗せてたり、ハイハットにタンバリンを乗せてリズムを刻んだりする様々な試みは、いまやドラマーのトレンドとも言える。ジャズ・ドラマーとして最も多忙な1人。

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