Pianist and Keyboard player's albums

Mark de Clive-Lowe / Heritage / 2019
マーク・ド・クライヴ・ロウ / ヘリテージ / No.3159

懐かしさと壮麗さ、儚さと力強さのたたずむアルバム。
マーク・ド・クライヴ・ロウが自らのルーツに向き合った一大叙事詩。
An album of nostalgia and grandeur, fragility and strength.
An epic poem in which Marc de Clive Lowe confronts his roots.

Mark de Clive-Lowe / Heritage / 2019

Piano, Synth, Electronics, Electric Piano, Programmed By – Mark De Clive-Lowe
Alto Saxophone, Flute – Josh Johnson
Bass – Brandon Eugene Owens
Design, Layout – Jaime Robertson
Drums – Brandon Combs
Percussion – Carlos Niño
Tenor Saxophone – Teodross Avery (Tracks: 4,6)
Producer – Mark De Clive-Lowe
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Degree of
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Nostalgic / ノスタルジック度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

昨日は、リチャード・スペイヴンを紹介した。
UKとUSで活躍し、ジャズとクラブ・ミュージックの橋渡し的な存在。

今日のアルバムも、同じようにUKとUS、ジャズとクラブ・ミュージックのミクスチャーな存在、ピアニスト マーク・ド・クライヴ・ロウの作品。

彼は、90年代末ウェスト・ロンドンでブロークンビーツのムーヴメントの真っ只中にいて現在はLAのジャズ・ビート・シーンにいるというめずらしい存在。

しかも、ジャケット・デザインを見てほしい(デザインはTokio Aoyama)。
ピアノ上は、日本の箱庭的世界、赤とんぼに、真っ赤な太陽。
そう、マーク・ド・クライヴ・ロウには日本人の血が流れていて、そんな彼が自らのルーツに向き合った作品がこれだ。

ニュージーランド生まれ。日本人の母を持ち、アメリカでジャズを学び、ロンドンのクラブシーンで成功し、LAのジャズシーンへと飛び込んだマークのストーリーこそが、このアルバム。
曲のタイトルにも日本語が目立つし童謡「赤とんぼ」も演っている。

もっとクラブっぽいのかと思いきや、ちょっと感動してしまうくらいの一大叙事詩。
メロディックだけど、それが日本ぽいというか、すこし憂いと郷愁をはらんだ心持ちウェットな空気で、オイラ達を心地よく刺激する。

オリエンタルともアフリカンともいえるメロディや響き、あるいは荘厳さやひたむきなソロがスピリチュアルにも聴こえ、さすがロンドンのシーンを通過したヒトの音楽。

それから「赤とんぼ」がまた、かっこいい。
彼のこれまでの音楽人生が詰まった集大成的作品。

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