Kendrick Scott

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Kendrick Scott / ケンドリック・スコット / No,001

Kendrick Scott / ケンドリック・スコット
– 1980年、テキサス州ヒューストン生まれ –

ドラムとの出会いは、両親そして兄が音楽活動に携わっていた教会でのことだった。ヒューストンの有名なHSPVA(High School for the Performing and Visual Arts)に入学し、そこで多くの賞を受賞。顕著なものは、ダウンビート・マガジン・スチューデント賞、国際ジャズ教育協会(IAJE)と全米芸術振興財団から贈られたクリフォード・ブラウン/スタン・ゲッツ・フェローシップ。

1998年、高校卒業後はバークリー音楽大学に入学し、2002年に卒業して以来クルセダーズ、パット・メセニー、ジョー・ロヴァーノとケニー・ギャレット、ダイアン・リーブス、リズ・ライト、グレッチェン・パラート、テレンス・ブランチャードなど、さまざまな有名アーティストと共演している。

シャープで明瞭でありながら太く心地よい音色、どっしりとしたグルーヴ感、幅広いダイナミクスを持ち、楽曲の本質的なところを大きく膨らましてゆく音楽感、センスに満ちあふれたドラミングが特徴。
セッション・ワークもさることながら自身のバンドをクリエイトすることにも大いなる才を発揮する時代のリーダー。

テレンス・ブランチャード率いるブルーノート・ヤングライオンズ!
Blue Note Young Lions led by Terence Blanchard!

Terence Blanchard / Flow / 2005年
テレンス・ブランチャード / フロウ

Trumpet, Programmed By– Terence Blanchard
Bass – Derrick Hodge
Drums – Kendrick Scott
Guitar, Vocals – Lionel Loueke
Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, MIDI Controller – Brice Winston
Piano – Aaron Parks
Piano – Herbie Hancock(Track:7)
Programmed By – Howard Drossin
Vocals – Gretchen Parlato
Produced by – Herbie Hancock

本日は、現代ジャズドラマー列伝、またまた新しいドラマー登場。
80年代生まれ ≪ ケンドリック・スコットの巻 ≫ 。

トランペッター テレンス・ブランチャードの2005年のアルバム “ フロー ” 。

まず、メンバーが凄い。
ドラムがケンドリック・スコット、ベースがデリク・ホッジ、そしてギターがリオネル・ルイケで、ピアノがアーロン・パークス、サックスはブライス・ウィンストン。

そして、1曲はハービー・ハンコックが弾いてるし、ゲストボーカルでグレッチェン・パーラトも参加してる。あ、ハンコックはプロデュースもしてる。

今をときめく人ばかりだけど2005年だと、まだ若くて知名度もそうなかったはず。テレンス・ブランチャードって、けっこう若い才能を上手に育てる人みたい。
たしかロバート・グラスパーもブランチャードのグループで演ってたはず。

現代ジャズの萌芽を感じさせる1枚。

一聴してデリック・ホッジとリオネル・ルイケが、グループのキーになっているのがわかるサウンド。どの曲も実験的な試みを感じるのに、まったく破綻してないし、若い才能が自由に演ってるのが功を奏してる。これまでに聴いたことないサウンドを創りだすのに成功してる。

弱冠まとまりに欠ける感あるのは、ブランチャード作が1曲、
ホッジ&ブランチャード作が3曲、ホッジが1曲、ルイケが3曲、
スコット1曲にパークス1曲に、ウィンストンが1曲という内容だからか。
(そこらへんブランチャードの優しさか)

さすがに、ハービー・ハンコックが弾いてる1曲だけは、
リーダーシップの違いというか、ビシッとワンランク上の仕上がりを見せてるけど、
それ以外のどの曲も興味深く、耳をそばだててしまうおもしろさがある。

ハンコックのプロデュース力もさることながら、
ブルー・ノート・レーベルの力が入ってる感がヒシヒシと伝わってくるし、
まいた種が実際、現在のジャズシーンを支えている事実は、さすがとしか言いようがない。

RELATED POST