Bill Stewart

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Bill Stewart / ビル・スチュアート / No,003

Bill Stewart / ビル・スチュアート
– 1966年、アイオワ州デモイン生まれ –

両親が持っていたジャズやR&Bのレコードを聴いて育つ。独学で学んだドラムは7歳で演奏を始めた。高校時代には、スタンフォード・ジャズ・ワークショップのサマー・キャンプに参加、そこでディジー・ガレスピーに出会う。ノーザンアイオワ大学に入学し、ジャズバンド、マーチングバンド、オーケストラで演奏。その後、ウィリアム・パターソン大学に編入し、エリオット・ジグムンドとホレイシー・アーノルドにドラムを学び、デイブ・サミュエルズに作曲を習った。
在学中にジョー・ロバーノに出会う。また1990年にはピアニストのフランク・アムサレムと最初のレコーディングを行っている。
多くのミュージシャンと仕事をしているが、1989年から活動しているラリー・ゴールディングス、ピーター・バーンスタインとのトリオは現在まで続く人気ユニット。特にギタリストからのコールが多く、パット・メセニー、ジョン・スコフィールドなど重鎮たちから信頼が厚い。
そのライドスタイル、独自のスウィング感など際立つ個性は、コンテンポラリーなジャズとの相性の良さも ぴかいちである。

John Scofield & Pat Metheny  /  I Can See Your House From Here / 1994
ジョン・スコフィールド&パット・メセニー  /  アイ・キャン・シー・ユア・ハウス・フロム・ヒア

Guitar, Acoustic Guitar – John Scofield
Guitar, Guitar Synthesizer, Acoustic Guitar – Pat Metheny
Drums – Bill Stewart
Electric Bass, Acoustic Bass – Steve Swallow

ゴジラvsモスラ的な世紀のギターバトル!
“Godzilla vs. Mothra” like the guitar battle of the century!

ジョン・スコフィールド看板アルバムではじめて買ったのは、これだった。
(メセニー目当てだったけど)

いまでも、大好きでときどき聴くアルバム。
ちなみにジョン・スコは、

バークリーで(メセニーと)共に学んだ後、メセニーの後任でゲイリー・バートンのグループへ。その後82年、マイルス・バンドに加入してトップギタリストの座に。

2人はそういう仲、同窓というかライバルというか兄弟。

このアルバムは、実力が拮抗してはじめてなしえる次元、緊張とリラックス、
遊びとイマジネーションの極地。
ジャジーでリリカルでメロディック。
流麗に、アウトフレーズに、大爆発に、彷徨に、咆哮!(なんだ、それ)
2人の絡みに心が弾む。

アルバムとしても緩急のバランスがよく、
始終緊張の張り詰めた一枚というわけでもなく、とても心地よい。

決して前に出てこないスティーヴ・スワローのベースと
ビル・スチュアートのドラムのプレイがまたタイトでいい音で、すばらしい仕事。
ビル・スチュが、2人のプレイにどう絡むのかを注意しながら聴くのも、
また違った味わいで聴ける。

すばらしいアルバムというのは、1粒で何度もおいしい。
その都度発見や驚きや、ニヤリが止まらない。
このアルバムも、そんな聴き方の出来るスルメ盤。

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