Jorge Rossy / ホルヘ・ロッシ
– 1964年スペイン・バルセロナ生まれ –
バルセロナ生まれのホルヘ・ロッシは、80年代からスペインのジャズ・シーンでドラマーとして活動していた。
トランペットを学ぶためにバークリー音楽大学に進んだものの、ボストンでもドラマーとしての才能に注目されダニーロ・ペレスのトリオに抜擢された。90年代初頭にニューヨークに移ると、ブラッド・メルドーと出会い、彼の初リーダー作 “Introducing Brad Mehldau” に参加して以来、約10年間メルドー・トリオに在籍。
スタンダード曲を変拍子で快適に演奏することは、南米やアフロ・キューバンのリズムを熱心に研究していたロッシからの影響が大きかったとメルドーは指摘している。
ドラマーとしてカート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、クリス・チークらに重用されたロッシだったが、ピアニスト・作曲家としての自らの可能性についても探求し続け、近年はヴィブラフォン・クインテットを結成し、精力的な活動を行っている。
( Blue Note Club: 文 / 原 雅明 より抜粋 )
軽くて繊細なタッチと正確な拍子感、
何より「音楽的ドラミング」と称せられる独特なタッチとバランス感覚は見事。
バンドの各自の音について、非常に高度な聴く耳を持ったドラマー。
以降10年以上にわたって時代を築いたピアノ・トリオの原点!
The origin of the piano trio that established the era over the next decade!
Brad Mehldau / The Art of the Trio, Vol. 1 / 1997年
ブラッド・メルドー / ジ・アート・オブ・ザ・トリオ, Vol. 1
Piano – Brad Mehldau
Bass – Larry Grenadier
Drums – Jorge Rossy
現代ジャズドラマー列伝 ≪ ホルヘ・ロッシの巻 ≫ 第4弾は、これ。
ホルヘ・ロッシは、言わずと知れたブラッド・メルドー・トリオの一員。
ブラッド・メルドーの作品は、ほぼ全てをすでに紹介しているので、
いまさらだけど、ロッシを紹介するにはメルドー・トリオを何枚か触れないわけにはいくまい。
というわけで、1997年リリースの “The Art of the Trio, Vol. 1” 、2度目の取り上げ。
以降10年以上にわたって続いたトリオの出発点がこれだ。
自ら “The Art of the Trio” と名乗るだけの充実と説得力。
おそらくジャズ史の中で、ここからの10年あまりを
「ブラッド・メルドーの時代」と語り継がれるのではないだろうか。
それだけジャズファンと、
世界中のピアニストおよび、その予備軍達から羨望と嫉妬の眼差しを向けられたであろうトリオの出発点がこれだ。
もちろん、メルドーの力もさることながら、
ホルヘ・ロッシとラリー・グレナディアという鉄壁の2人がいてこそのトリオ。
キース・ジャレット、
ハービー・ハンコック、
チック・コリアによって、
開発しくつしたと考えられたピアノ・トリオのあらたな可能性と地平を見せて、
世界を驚かせた1枚。