Avishai Cohen / Continuo / 2006年
アヴィシャイ・コーエン / コンティヌオ / No,1047
アヴィシャイ・コーエンもう一枚まいります。
前回紹介の「Gently Disturbed」は、トリオ名義だったけど、
この 「Continuo」は、トリオではない。
実際、このアルバムはイスラエルの旋律というか民族性を
大きく打ち出した作品だ。
ウドーというギターのような民族楽器が加わって、
ピアノ、そしてベースで独特な世界を作り出している。
オイラの好きなマーク・ジュリアナのドラムも、
このアルバムでは控えめで、
アヴィシャイの音世界を構築することに徹しているようだ。
とても美しく叙情的な作品で、
ジャズファンでなくとも一発で好きになる人も多いかもしれない。
ジャズの世界でのイスラエル勢の躍進のトップを走るアヴィシャイだけど、
その強烈な民族性と、その音楽のなかで培われてきた変拍子に対する
卓越したリズム感が、やはり彼の大きな個性というか武器である。
日本のジャズ・ミュージシャンにはないものだ。
日本人らしさとは何なのか、
雅楽じゃちょっとだし、和太鼓でもないだろ、てなる。
傾向として日本人が好むセンチメンタルなメロディとかは、
あるのだろうけど、いまいち武器として弱い。
イスラエル勢以外でも活躍するキューバ勢とかプエルトリコ勢とか、
ブラジル勢とか、やはり同様に強烈な武器を持っている。
オリジナリティ、日本のミュージシャンの悩みどころかもね。
ま、関係ない方向に話はいったけど、
このアルバムは素晴らしいです。
Bass – Avishai Cohen
Drums, Percussion – Mark Guiliana
Oud – Amos Hoffman (tracks: 1, 3, 6, 9, 10)
Piano – Sam Barsh (tracks: 1 to 9)
Avishai Cohen – ‘Nu Nu’ Live (Blue Note New York, 2006)