Ari Hoenig

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Ari Hoenig / アリ・ホーニグ / No,001

Ari Hoening / アリ・ホーニグ
– 1973年、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ –

父親は指揮者でクラシック歌手、母親はバイオリニストでピアニスト。6歳のときからバイオリンとピアノを習い始めた。12歳でドラムを始め14歳の時には地元のクラブで若いジャズミュージシャンたちと腕を磨く。フィラデルフィアの高校に進学し、そこで音楽理論や楽器演奏の技術を学び、卒業後NYへ。

メンバーと調和しながらも複雑なリズム、高度なコンビネーションを難なくこなし、誰よりもエモーショナルなプレイスタイルでグループを牽引し、聴衆を虜にする。

また、マレットあるいは手や肘を使ったミュート&ベント奏法(トーキングドラムというか、ドラムでメロディを歌う奏法)を得意としており、さまざまな表情を見せるドラミングは圧巻。

数多くのレコーディングに参加し、自身のリーダーとしての作品も精力的にリリース。また教育活動にも力を注いでいる。

その高い演奏技術や独自のプレイスタイルによって、現代ジャズシーンで非常に重要な存在である。

アリ・ホーニグ、飛びっきりのテクニシャンでありながらも、それを凌駕するキャラ立ち!
Ari Hoenig, a ridiculous technician, but also a character standout!

Ari Hoenig / Lines of Oppression / 2010年
アリ・ホーニグ / ラインズ・オブ・オプレッション

Drums, Vocals, Producer – Ari Hoenig
Bass – Orlando Le Fleming (tracks: 1, 3, 5 to 8)
Bass, Vocals – Chris Tordini (tracks: 2, 9, 10)
Guitar, Vocals – Gilad Hekselman
Piano, Vocals, Human Beatbox – Tigran Hamasyan

≪ 現代ジャズドラマー列伝 ≫ クリス・デイヴに引き続き、同じく1973年生まれのドラマー、アリ・ホーニグ。

この人も非常に個性的なドラマー。
飛びきりのテクニシャンでありながらも、そんなことを忘れさせるくらいキャラが立ちまくってる。とにかく、ライブを観たくなるご機嫌なドラマー。

このアルバムは、そんな彼の2010年のリーダー作品。
メンバーは、ベースが2名参加で、オーランド・ル・フレミングとクリス・トルディーニ。
そして、ギターが、ギラッド・ヘクセルマン。
ピアノが、ティグラン・ハマシアンという布陣。
いかがですか、メンバーだけでそそられるでしょ。

内容は、コンテンポラリーで、4ビートは時折出てきてもらしくない。
やはり、ヘクセルマンとハマシアンの個性が強烈に感じられる作品。

前半は、ヘクセルマン・カラーが強く、
中盤で、リズムが強調されたホーニグ節炸裂。
あの ” Moanin’ ” を「ミュート&ベント」で歌い上げ、
後半は、ハマシアンが目立ってゆく。
そして、ラストのハマシアン曲で大団円。

く〜たまんないな!
アルメニア出身ハマシアンとイスラエル出身ヘクセルマン、
UK出身フレミングとそれを束ねるUSホーニグ。
NYで花開くジャズ多国籍軍サウンド。

これぞ、まさしくコンテンポラリー、
聴けば聴くほど発見のあるスルメ盤。



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