Eric Harland

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Eric Harland / エリック・ハーランド / No,003

ECM的な静謐と、ライブの熱が共存する傑作!
A masterpiece that combines ECM-like serenity with the heat of a live performance!

Charles Lloyd / Sangam /  2006年
チャールス・ロイド /  サンガ

Saxophone, Tárogató,Flute,Piano,Percussion – Charles Lloyd
Drums,Percussion,Piano – Eric Harland
Tabla,Voice,Percussion – Zakir Hussain

現代ジャズドラマー列伝 ≪ エリック・ハーランドの巻 ≫ 第3弾!
きょうは、2006年、チャールス・ロイドの作品。

チャールス・ロイドは、キース・ジャレット、
そしてミシェル・ペトルチアーニとのカルテットで活躍したサックス奏者、御大だ。

ハーランドは、チャールス・ロイド・バンドのメンバーだけど、
このアルバムは、ザキール・フセインというタブラ奏者と
ハーランドという打楽器奏者二人を迎えた異例の編成。
ライブを収録したECM作品だ。

このメンツ、どうなるの ?!と、一瞬いぶかしんだけど、
いや、なかなかいいんですよ。
というか、控えめに言っても最高!

タブラが前面にでるので、ハーランドは当然抑えめなワケですが、
ときおりリズム一騎打ち的側面もあり、
1曲目からソロで鳥肌立ててくれます、シビれる。

このトリオ、コード楽器がないという編成なワケですが、
タブラのもつ音色、音階的なものが全編を通して
瞑想的な空間を作り出してる。

チャールス・ロイド、この時既に68歳。
めっちゃ元気です、聴かせます。
この研ぎ澄まされた三つ巴空間、堪らんです。

あと、一曲だけエリック・ハーランドがピアノ弾いてる曲もあって、
これはこれで見物です。
ザキールもソロで、おちゃめなところ見せたりして思わず笑み。

ECM的な静謐さと、ライブの熱が共存する名盤。

それにしても、このジャケット。
あくまでも人物を表に立てないECMの、ぼかしにぼかしたライヴ表現、笑える。

Eric Harland / エリック・ハーランド
– 1976年、テキサス州ヒューストン生まれ –

地元ヒューストンの有名なHigh School for the Performing and Visual Artを卒業。17歳の時にはプロとして演奏を始め、ワークショップでウィントン・マルサリスにNYで学ぶことを奨められマンハッタン音楽学校に入学、卒業後は、ヒューストン・バプティスト大学(聖書研究学部)で神学を学び、その後、牧師として叙階される。
ベティ・カーター、ジョー・ヘンダーソン、マイコイ・タイナー、マイケル・ブレッカー、テレンス・ブランチャード、ブランフォード&ウィントン・マルサリス、ウェイン・ショータなどと共演。2014-2016年シーズン、SFJAZZセンターのレジデント・アーティスティック・ディレクターを務め、現代のトッププレーヤーとしてジョシュア・レッドマン、デイヴ・ホランド、チャールズ・ロイド、ジェイソンモラン、クリスポッターらとの共演、あるいは自身のグループ「VOYAGER」での積極的な活動も評価が高い。
ハイピッチなチューニングが特長で、高速シングル・ストロークの流麗さやダイナミクスの幅広さに定評がある。彼の豊かな音楽性はソロプレイヤーやバンドの状況に素早く反応し、ピアニシモのコントロールやフレージングの速さも素晴らしい。また、彼の始めたタムの上にシンバルを乗せてたり、ハイハットにタンバリンを乗せてリズムを刻んだりする様々な試みは、いまやドラマーのトレンドとも言える。ジャズ・ドラマーとして最も多忙な1人。

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