試験にでる現代ジャズ ≪入門編≫

試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.004
Kurt Rosenwinkel / Star Of Jupiter / 2012年
カート・ローゼンウィンケル / スター・オブ・ジュピター / No.3075

“ 月曜日のブラッド・メルドー ” 終了とともに 新シリーズを開始。
ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。

ソニー・ロリンズサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。
題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!

月曜日・新シリーズ
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.004
Kurt Rosenwinkel / Star Of Jupiter / 2012年
カート・ローゼンウィンケル / スター・オブ・ジュピター

“皇帝”カート艦長が僕らを未踏の宇宙・木星へと連れ出してくれる弩級のアルバム。

Kurt Rosenwinkel / Star Of Jupiter / 2012年

Guitar, Voice, Producer – Kurt Rosenwinkel
Bass – Eric Revis
Drums – Justin Faulkner
Piano, Electric Piano,Organ – Aaron Parks
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆

さて、現代ジャズ ≪ 入門編 ≫今回は、ギタリストのアルバム。

“皇帝”と呼ばれる男カート・ローゼンウィンケルの登場。
ローゼンウィンケルは、こんな人 ↓。

1970年ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれ。父はドイツ出身、母はノルウェー出身で、両親ともピアノをたしなむ家庭で育つ。9歳の時カートもピアノのレッスンを始め、すぐに自己流で曲を作って遊ぶようになる。その後12歳の時にギターを手にする。
高校は芸術系のフィラデルフィアCPA高校に進学。同級生にはクリスチャン・マクブライドやクエストラヴがいた。当時は地元のクラブのジャム・セッションでオールドスクールのビバップ奏者たちと腕を磨いたり、親友の自宅のガレージ・スタジオで膨大な音楽を宅録して音楽漬けの日々を送る。
卒業後、ボストンのバークリー音楽大学に入学。バークリーでは講義に出席せず、ひたすらセッションに明け暮れる日々を過ごす。同輩にはマーク・ターナー、シェイマス・ブレイク、クリス・チーク、ホルヘ・ロッシー、ギジェルモ・クレイン、ジェフ・パーカーなどがいた。(Untitled Medley 現代ジャズ・オーバービューより抜粋)

このアルバムのギターのカッコよさに打ちのめされてほしい。

宇宙をテーマにしたアルバムということだけど、実際その浮遊感、アンビエント感、無重力感の中で跳ね回るカートのギターは、まさに閃光。

そのまばゆいばかりのロマンチシズムに、その音色に、疾走感に、躍動感に、くらくら目眩がする。

ジャズ入門者からは「これジャズなんですか?」とたずねられそうだけど(オイラが紹介するものは、ほとんどそうかも)、リズムも音色もフレーズも、何もかもが自由になって、全てをのみ込んでいくのが現代ジャズだ。

高速ビートから変拍子、そして4ビート、美しきバラード・ワルツと何でもござれ、スペーシーなカートのギターはよどみなく遊泳。

ピアノのアーロン・パークスがじつにいい仕事してるし、ベースのエリック・レヴィスとも息はピッタシ。若きジャスティン・フォークナーのドラミングもキレがいい。

“皇帝”カート艦長とイカした3人の乗務員が誘う未知の宇宙への旅、ラスト・タイトル曲の ” Star Of Jupiter ” がまた、とびきりカッコいいぜ。

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