Grammy Awards

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Antonio Sanchez / アントニオ・サンチェス / No,005

大きなスタジアムがにあう希有な存在、グラミーも納得の名盤!
A rare presence in a large stadium, a Grammy-worthy masterpiece!

Pat Metheny  / Unity Band / 2012年
パット・メセニー / ユニティ・バンド

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Guitar,Guitar Synthesizer, Performer[Orchestronics],Producer – Pat Metheny
Acoustic Bass – Ben Williams
Drums – Antonio Sanchez
Tenor Saxophone, Bass Clarinet, Soprano Saxophone – Chris Potter

週明け。
きょうは、先週に引き続き現代ジャズドラマー列伝
≪ アントニオ・サンチェスの巻 ≫ 第5弾。

いまや押しも押されぬ最重要ドラマーとなったアントニオ・サンチェスだけど、
このバンドでの活動が世界に彼の名を知らしめた。
サックスのクリス・ポッターを要したパット・メセニーのバンド “Unity Band” 。
ほかにメンバーは、ベースのベン・ウィリアムスと若手でまとめてる。

これまで、メセニーが “ Pat Metheny Group” で創り出していた世界観を、
最小のコンボで再現するような試みが、このバンドのキモなのかな。

これまでメセニーがサックス奏者と共演したのは、
マイケル・ブレッカー、ジョシュア・レッドマンくらいのもの。
今回、ポッターを起用してがっぷり組んでの挑戦。

あらたな決意、あらたな試みが、炸裂してる素晴らしいアルバム。
なんせ、グラミー賞も獲ってるし。

1曲目のガットギターの響き。
2曲目のソプラノ・サックスとのユニゾン。
3曲目、ピカソギターとバス・クラリネットの絡み。
そのほか、ベースのニューカマー、ベン・ウィリアムスの活躍。

オーケストリオンの新たな展開。
サンチェスの壮絶なソロ。
そして、後半部にむかってどんどん増してゆく凄み。
ヒートアップするポッターとメセニーのソロ。

もう、聴きどころ満載。
なにより、バンドとしてのアンサンブルが素晴らしく、
特にこれがメセニーの大切にしたところなんだろう。

拡がりのある大きな世界観が持ち味のメセニー・サウンド。
ジャズ界においては、大きなスタジアムが似合う希有な存在。
たった4人でもその力を証明してみせたグラミーも納得の名盤だ。

Antonio Sánchez / アントニオ・サンチェス
– 1971年、メキシコ、メキシコシティ生まれ –

5歳でドラムを始め、10代初頭にはすでにプロとして演奏を始める。
1993年にメキシコ国立音楽院でクラシック・ピアノの学位を取得後、ボストンに移りバークリー音楽大学で学ぶ。さらにニューイングランド音楽院に進み卒業。1999年にニューヨークに進出、2001年よりパット・メセニ・グループの一員として8枚のアルバムに参加、うち3枚でグラミー賞を受賞。

そのほか、チック・コリア、クリス・ポッター、デビッド・サンチェス、ジョン・パティトゥッチ、ダニオ・ペレス、ケニー・ワーナー、アビシェイ・コーエンなどなど様々なアーティストと共演を果たし、自らのリーダー・アルバムでも高い評価をえる現代最高峰のドラマー。

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