Mark Guiliana

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Mark Guiliana / マーク・ジュリアナ / No,006

新時代ジャズのクリエーターとして、その名を世界に刻んだマーク・ジュリアナ!
Mark Juliana has made his mark on the world as a creator of new age jazz!

Mark Guiliana Jazz Quartet /  Family First / 2015年
マーク・ジュリアナ・カルテット / ファミリー・ファースト

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Drums – Mark Guiliana
Bass – Chris Morrissey
Piano – Shai Maestro
Saxophone – Jason Rigby
Written-By – Mark Guiliana (Tracks: 1 to 4, 6 to 9), R. Marley (Tracks: 5), Rufus Wainwright (Tracks: 10)


さて今週はマーク・ジュリアナをまだまだ攻める、
現代ジャズドラマー列伝 ≪ マーク・ジュリアナの巻 ≫ 第6弾!

彼の2015年のリーダーアルバムは、意表をついて(Beat Musicを出したあとだし)のアコースティックアルバム。

ど・アコースティック。
なんつったって Jazz Quartet だからね。
なんと、 4ビートの曲まである!

「今回チューニングは、アート・ブレイキーやロイ・ヘインズ、トニー・ウィリアムスといった60年代のジャズ・アーティストと似たものにしている。」とは彼の弁。

しかし、1曲目からして「んん ?! そう来る」で、ふつうのグルーヴではない。

ドラムのチューニングは、60年代でも、
聴いたことないようなグルーヴを模索しているというか、
創りだそうとしているよう。

現代的と言うより、未来的で実験的。

このアルバム、大好き。この温度の低さ。しかし、ジワッと次第に熱い。
ピアノ シャイ・マエストロのこんなプレイ聴いたことないし。
疾走感、とも違うけど、いつのまにか引き込まれてしまう。

手触りは、限りなくナチュラル。
しかし、新たな時代の家族関係を感じさせるような疑似家族感。
ドライとウェットが入り交じった独特のドライブ。

アルバム・タイトルを見てゆくとおもしろい。

ラスト4曲、

The Impotance of Brothers
Welcome Home
Family First
Beautiful Child

彼の家族感、いったいどんな感じなんだろ、想像できない。

ジャズとは相容れないような “Beat Music” を発表した後に出したこのアルバムで、
新時代のジャズ・グルーヴのクリエーターとしても世間を驚かせた。
圧倒的なドラミングと、4人の絶妙なアンサンブル。
マーク・ジュリアナの刺激的な実験は止まらない。

Mark Guiliana / マーク・ジュリアナ
– 1980年、ニュージャージー州生まれ –

15歳の時、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリペッパーズを聞いてドラムを始める。地元のドラマーから5年間レッスンを受け、ドラムを始めて2~3年頃からジャズドラムに専念。ウィリアム・パターソン大学でジョン・ライリーに師事、2003年にジャズ研究とパフォーマンスの学位を取得して卒業。
アヴィシャイ・コーエンのバンドで頭角を現し、その後マリア・シュナイダー、ブラッド・メルドーとのデュオ “メリアナ”、デヴィッド・ボウイの遺作『★(Blackstar)』を支えるバンドに抜擢されグラミー賞授賞式では、バンドメンバーとして登壇し5部門を受賞、その活躍は多岐に渡る。
近年は”ビート・ミュージック”をテーマにした作品をリリース。ジャズ、そしてビート・ミュージックと、ジャンルを超え活躍。
マシンライクなドラミングで有名だが、自身のアコースティックなジャズ・カルテットでもジャズを更新し続ける。拡張するジャズシーンの中でも最前線といえるドラマー。

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