Jeff Ballard

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jeff Ballard / ジェフ・バラード/ No,001

Jeff Ballard / ジェフ・バラード
– 1963年、カリフォルニア州サンタクルーズ生まれ –

14歳でドラムを始め、カブリヨ・カレッジで音楽理論を学び、多くのバンドとツアーしながらドラムへの独自のアプローチを開発した。24歳の時、8ヶ月間レイ・チャールズのビッグバンドに参加。1990年にニューヨークに移り、ベン・モンダー、カート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、ベン・アリソンとコラボレーションを始めた。2005年にブラッド・メルドーが、スペインに戻ることを計画していたホルヘ・ロッシーの代役としてジェフを自身のトリオに招聘する。

レコーディング・セッションやツアーの共演者は、チック・コリア、パット・メセニー、ジョシュア・レッドマン、カート・ローゼンウィンケル、などなど。マーク・ターナー、バラード、ラリー・グレナディアを擁するFly Trioの共同リーダー、自身のグループ、ジェフ・バラード・トリオさらにジェフ・バラード・フェアグラウンズと幅広い活動で知られる。

非常に多彩で、様々な音楽ジャンルに対応できるドラムスタイル。緻密に演奏することができる一方、フリーなアドリブ演奏も得意で強いグルーヴ感や独特なリズム感がある。ドラムセットのセッティングにも独自性が強く、様々なドラムセットやシンバル、そして世界中の民族楽器を使用しカスタマイズしている。

≪ 現代ジャズドラマー列伝 ≫ として、まず60年代生まれから取り上げている。
そろそろ70年代に入ろうかなとして、最重要人物を忘れてたことに気づく。

というか弊ブログでは、
かなりの常連なので山ほど取り上げてきたヒト、ジェフ・バラード!

Avishai Cohen / Adama /1998
アヴィシャイ・コーエン / アダマ

Bass – Avishai Cohen
Drums, Percussion – Jeff Ballard (tracks: 1, 2, 4 to 9, 14)
Drums – Jorge Rossy (tracks: 10, 11)
Oud – Amos Hoffman (tracks: 2, 5, 8)
Congas – Don Alias (tracks: 11)
Piano – Jason Lindner (tracks: 1, 2, 4 to 8, 14)
Electric Piano – Chick Corea (tracks: 11)
Piano – Brad Mehldau (tracks: 10), Danilo Perez (tracks: 11)
Soprano Saxophone – Steve Wilson (tracks: 1 to 9, 14)
Trombone – Steve Davis (tracks: 1 to 9, 14)
Guitar – Amos Hoffman (tracks: 4, 6, 12)
Vocals – Claudia Acuña (tracks: 12)
Producer – Avishai Cohen, Chick Corea

チック・コリア・バンドのメンバーになったことで、その名をあげたアヴィシャイ・コーエン。そんな時代の寵児の初リーダー・アルバム。
チック・コリアの全面バックアップで出来ている。

じつは、コーエンと同時にジェフ・バラードもチック・コリア・バンドに参加してる。
そんな流れからなのか、このアルバム(逆にこのアルバムでチックに認められたのかも)。

ピアノにチック1曲、ブラッド・メルドー1曲、
ダニーロ・ペレス1曲、ジェイソン・リンドナー5曲と豪華。
サックスをスティーヴ・ウィルソン、そしてトロンボーンでスティーヴ・ディヴィス、
それに、ドン・アライアスまで名を連ねてる。

のっけから、めちゃカッコいい。
鮮烈なジェフ・バラードのドラミング、まっすぐにリードするベースライン。
そして、ソプラノ・サックスとトロンボーンの美しい響き。

思えば、アヴィシャイ・コーエンでオーソドックスな2管の曲というのが新鮮だ。

アルバム通して、
メランコリックで叙情的なメロディ × 極太のベースラインという、
アヴィシャイ節は、すでに確立している。

おそらく、このアルバムが出たときは、
相当の衝撃が走ったのではなかろうか。
ベーシストを超えた逸材として、
ジャコ・パストリアス以来の存在だったかも。

この後、イスラエルという新たなジャズの鉱脈が、
世界に認知されてゆく最初の一歩だったのかもしれない。

ジャズが、新たなフェーズを迎えた記念碑的アルバム。

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