チェット・ベイカーの晩年を支えたイタリアン ベーシスト、リッカルド・デル・フラのエレガンテ溢れるアンサンブル!
Italian bassist Riccardo Del Fra, the man behind Chet Baker’s last years, with his elegante ensemble!
Ricardo Del Fra / Moving People / 2018
Double Bass, Arranged By, Composed – Ricardo Del Fra
Soprano Saxophone, Alto Saxophone – Jan Prax
Soprano Saxophone, Baritone Saxophone – Rémi Fox
Trumpet – Tomasz Dąbrowski
Guitar, Guest – Kurt Rosenwinkel
Piano – Carl-Henri Morisset
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆
きょうもギタリスト、カート・ローゼンウィンケルの参加アルバムで攻めてみたい。
リッカルド・デル・フラは、チェット・ベイカーの晩年をサポートしたことで知られるイタリアのベーシスト。彼がローゼンウィンケルをゲストに迎えて作った2018年の作品。
これが、なかなか素晴らしい。
すべての曲がデル・フラ作曲で、全11曲中、7曲ローゼンウィンケルが参加。
オープニングからローゼンウィンケル炸裂。
彼の曲だっけ?てくらいローゼンウィンケルぽいし、何よりも極上のプレイ。
哀愁あふれリリカルでロマンティック、一気にあがる。
ローゼンウィンケルを活かすことを意識して書かれているのか、じつに伸びやかに弾きまくってる。プレイはもちろんだけど、1・3曲目のギターの音色といったら、いつにもましてエレガンテをまとって艷やか。
3管にピアノまで加わり、あたかもラージアンサンブルに近いような広がりと迫力が気持ち良い。
全体を通して聴いていて、
なんだかウェザー・リポートを思いだしてしまった。
ローゼンウィンケルのソロは、なんだかザヴィヌルのようで、
それに絡むソプラノサックス(ジャン・プラックスorレミ・フォックス)は、まるでウェイン・ショーターのようではないか。
ローゼンウィンケルの入らない曲は、雰囲気違うけど、
これまた独自の世界観があってカッコいいし、バラードがまたいい。
イタリアンぽく甘くはないのに、適度なウェット感。
ちょっとアブストラクトな匂いを発するトランペットもなかなかいい。
そして、リッカルドのベースは、リリカルで美しい。
ベースのカデンツァで始まる曲などゾクゾクもの。
意外なところに名盤は、存在する。
イタリアのベテラン・ベーシスト、リッカルド・デル・フラのエレガンテ炸裂。