Bass player's albums

Chris Lightcap’s Bigmouth / Deluxe / 2010年
クリス・ライトキャップス・ビッグマウス /デラックス / No,3040

ツイン・テナー+アルトの変則3管編成というデラックスな “ ビッグマウス ” から弾き出されるファニーでアンニュイな空気と怒濤のグルーヴ、クリス・ライトキャップ。

Chris Lightcap’s Bigmouth / Deluxe

Bass, Composed By, Producer – Chris Lightcap
Alto Saxophone – Andrew D’Angelo (track: 2, 3, 8)
Tenor Saxophone – Chris Cheek, Tony Malaby
Electric Piano], Piano – Craig Taborn
Drums – Gerald Cleaver
++++++++++++++++++++++++++++++++++
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆
Relaxing / まったり度 ☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆

クリス・ライトキャップは、1971年生まれペンシルヴァニア州出身のベーシスト。90年代後半からキャリアのあるベテランだ。

この “ ビッグマウス ” のメンバーは、テナー・サックスにトニー・マラビー&クリス・チーク、アルト・サックスにアンドリュー・ディアンジェロ、なんとツイン・テナー+アルトという3管にクレイグ・テイボーンのピアノ、ジェラルド・クリーヴァーのドラムという強力な布陣、まさにアルバム・タイトルどおりデラックス!

しかしながら1曲目、サウンドの方は3管強力打線というよりむしろ、ご機嫌な湯加減でゆったりと始まる。印象的なエレピのリフ、マイナー調なのにほんわかした空気。でも気を許してると後半に向かって盛りあがり怒濤のラスト。なかなかいい!

2曲目は、さらにスローで穏やかなバラード。しかし後半、3管が火を噴く。
その後、民族調の空気やアンビエントな曲調。5曲目は特徴的なベースとドラムリフが緊張感を作る。そして6曲目、全員が弾けるようなフリーな曲。

美しく陽光のきらめきのようなアンサンブルを聴かせたかと思えば、ロック・テイストのグルーヴで押しまくったりと、たのしい。

そんな具合で楽器構成もさることながら、クリス・ライトキャップの書く楽曲は、なにかファニーでユーモラス、ウォーミングな空気を纏っていて親しみやすい。ラテンなフレーバーもそう感じさせる大きな要因かも知れない。しかし、ただホンワカだけでないアンニュイも同時感じさせるところがあって、そこが魅力だ。テクニカルなことやっているんだろうけど微笑ましく、たのしく聴いてるうちに怒濤の渦に巻き込まれてる感じ、じつにいい!

そんなワケで、今週はクリス・ライトキャップを追っかけるかな。

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