ホランド・クインテットの実力が遺憾なく発揮された傑作ライブ、コンテンポラリーの頂点。
A masterpiece live performance, the pinnacle of contemporary music, in which the Holland Quintet’s abilities are fully demonstrated.
Dave Holland Quintet / Extended Play(Live At Birdland) / 2003
Bass, Producer – Dave Holland
Drums – Billy Kilson
Soprano Saxophone, Alto Saxophone, Tenor Saxophone – Chris Potter
Trombone, Cowbell – Robin Eubanks
Vibraphone, Marimba – Steve Nelson
Written-By – Chris Potter (Tracks: 2), Dave Holland (Tracks: 1, 3 to 8), Robin Eubanks (Tracks: 9)
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆
きょうのアルバムは、デイヴ・ホランドのクインテットで2003年のライブ盤 “ エクステンデッド・プレイ ” 。前回紹介した “ ポイント・オブ・ヴュー ” の5年後。
メンバーは、ベースがデイヴ・ホランドにドラムは、ビリー・キルソン。
ソプラノ、アルト&テナー・サックスの若きクリス・ポッター。
ヴィブラフォンおよびマリンバのスティーヴ・ネルソン。
そして、トロンボーンのロビン・ユーバンクスという布陣。
サックスのスティーブ・ウィルソンだけが交代したカタチだ。
前回の “ ポイント・オブ・ヴュー ” からはうって変わって1曲目から熱い演奏が続く。
これだよ!これ。
ライブということで各自のソロにも熱が入る。
そしてキルソンのドラムが、むっちゃ煽る。
楽しい〜!
て、基本的には変わらないはずだけど、録音、音作りにも因るのかもしれない。
クール極まりないあのクインテットが、熱い。うとうとなんてする間もない。
臨場感あふれる音像に、目の前での演奏に触れるような錯覚にニマニマ!
見どころ(聴きどころ)いっぱい。
ポッターとユーバンクスの絡み、
どの曲でも熱く煽るキルソンのドラミング。
正確無比でホランドのつくり出すぶっといグルーヴ。
全員が一丸となる凄まじいリズムチェンジ。
ドラムとベースのバース交換。
複雑極まりない変拍子、構成&キメ。
全員が申し分ない出来だけど、特にキルソンのドラミングが白眉。
キルソンとベース、
キルソンとヴィブラフォン、
キルソンとサックス、
というように2人が浮かび上がるシーンも随所にあって、
それがまたカッコいい。
あるいは、ホランドとユーバンクスと低音2人の組みあわせも激シブ。
そんなシーンに、ドラムが加わり続いて、少しづつ音の厚みを増してゆく。
あるいは、いきなり全員でのテーマで盛り上げたり、
かと思うと渋めのソロで聴かせたり、デュオに持ち込んだり。
各自のレベルの高さゆえ出来ることなんだろうけど、
とにかく各楽曲の構成自体の妙にも唸らせるし、
ホランドまたはグループとしての百戦錬磨ぶり、
オーディエンスを魅了する引出の多さに舌を巻く。
2枚組2時間14分、
それはそれは実際のライブ体験が味わえるような、
凄まじくも楽しさ詰まった傑作アルバム。
まさしくコンテンポラリーの頂点を極めたと言っても過言ではない1枚、脱帽。