Bass player's albums

Omer Avital Qantar / New York Paradox / 2020
オメル・アヴィタル・カンター / ニュー・ヨーク・パラドックス / No.4075

オメル・アヴィタル率いるカンター、ますます磨きがかかったNYハイブリッド!
Qantar’s increasingly polished NY hybrid led by Omer Avital!

Omer Avital Qantar / New York Paradox / 2020

Alto Saxophone, Tenor Saxophone – Asaf Yuria
Bass, Composed By, Produced By – Omer Avital
Drums – Ofri Nehemya
Piano – Eden Ladin
Tenor Saxophone – Alexander Levin
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Latin Flavor / ラテン度 ☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

きょうも、イスラエル出身ベーシストのオメル・アヴィタルいきます。

彼の率いるグループ名が “ Qantar ” 。
このアルバムは、Qantarとして2枚目となる2020年のアルバム。

なかなかご機嫌なサウンド。

エキゾチズムと哀愁あふれるメロディ、そして強力なグルーヴが持ち味のアヴィタル・サウンドだけど。1作目に比べてだいぶ洗練されたというか進化した感じがある。

イスラエル調というか “ 中東エキゾチズムと哀愁 ” というのは、
どこか日本人にもなじみのあるウエットな旋律だ。

ただ、悪く言うと “ ザ・昭和 ” 感も漂う。
もっと悪く言うと “ チンドン屋サウンド哀愁 ” とでも言おうか、
ある種の野暮ったさがともなう。
特に、サックス2本でのユニゾンにそれは強くでる。

Qantarの1作目(未紹介)では、そんな局面がままあった。
まあ、それこそが個性あるいはオリジナリティでもあるんだけど何事もさじ加減、バランスが肝要だ。

そんな意味で、このアルバムはアレンジ面で野暮ったさが消えNY的になった。
それこそがタイトルが暗に示す意味だろうか(多分違うかも)。

ともかく、ピアノでの彩りが増し、
管のアレンジメントもずいぶん装飾的になり、
何よりいい意味で空間がまし、キレが生じた。
緩急も自在、ツボを心得た曲構成。
メロディ重視は、相変わらず。
まさしくイスラエルとNYのハイブリッド、カッコいい。

グループとして非常に充実してきていることがうかがえるし、
なによりライブが盛りあがりそうなバンドだ。

レコーディングは、NYのアヴィタル自身のスタジオで行われたらしい。
いつものメンバーで、
いつもの場所で、
セパレーションの無い空間で、
そして修正編集が一切無し、らしい。

全編に感じられるグルーヴは、そんな所からもくるのかな。
熱さとクールネスのハイブリッド、いいアルバムです。




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