Jeff Ballard

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Jeff Ballard / ジェフ・バラード/ No,003

そのバンド名、アルバム・タイトルに込めたチック・コリアの意気込みが伝わる!
You can feel Chick Corea’s enthusiasm in that band name and album title!

The Chick Corea New Trio / Past, Present & Futures / 2001

Piano, Producer – Chick Corea
Bass – Avishai Cohen
Drums – Jeff Ballard

Jeff Ballard / ジェフ・バラード
– 1963年、カリフォルニア州サンタクルーズ生まれ –

14歳でドラムを始め、カブリヨ・カレッジで音楽理論を学び、多くのバンドとツアーしながらドラムへの独自のアプローチを開発した。24歳の時、8ヶ月間レイ・チャールズのビッグバンドに参加。1990年にニューヨークに移り、ベン・モンダー、カート・ローゼンウィンケル、マーク・ターナー、ベン・アリソンとコラボレーションを始めた。2005年にブラッド・メルドーが、スペインに戻ることを計画していたホルヘ・ロッシーの代役としてジェフを自身のトリオに招聘する。
レコーディング・セッションやツアーの共演者は、チック・コリア、パット・メセニー、ジョシュア・レッドマン、カート・ローゼンウィンケル、などなど。マーク・ターナー、バラード、ラリー・グレナディアを擁するFly Trioの共同リーダー、自身のグループ、ジェフ・バラード・トリオさらにジェフ・バラード・フェアグラウンズと幅広い活動で知られる。
非常に多彩で、様々な音楽ジャンルに対応できるドラムスタイル。緻密に演奏することができる一方、フリーなアドリブ演奏も得意で強いグルーヴ感や独特なリズム感がある。ドラムセットのセッティングにも独自性が強く、様々なドラムセットやシンバル、そして世界中の民族楽器を使用しカスタマイズしている。

きょうは、現代ジャズドラマー列伝 ≪ ジェフ・バラードの巻 ≫ 第3弾でござい!

チック・コリアのキャリアのなかでいろんなプロジェクト、あるいはトリオがあるけど、ちょっと異色だけどオイラの最も好きなトリオがこの “ The New Trio ” だ。

メンバーは、チックとベースがアヴィシャイ・コーエン、
そしてドラムが、ジェフ・バラードという布陣。

もう、1曲目の冒頭から、素晴らしい予感しかしない。

じゃじゃ馬のようなアヴィシャイ・コーエンの強烈な存在感。
そして、いつになく(というかブラッド・メルドー・トリオでしかバラード聴いていない人には)アグレッシヴなバラード。
それに押されるように跳ね回るチック・コリア。

しかし、ただ元気なだけではなく、
これまでのトリオでは、聴いたことないチック・コリアがそこにいる。
その勢いを収めるようにジャズしているコリア、
ノリノリのラテン・フレーズ爆発とはまた違うコリアのプレイが楽しい。

コーエンの強靱だけど過剰なロマンティシズム、
それに呼応するようなコリアの繊細かつアグレッシブなアートが花開いてゆく。

コリアならではのプレイ、フレーズは当然だけど、
やはり、メンツが変わると全体の色が変わる。

どんな細かな音の動きも逃さないコリアの俊敏な反応は、
2人の個性を極限まで引き出す。

インタープレイの楽しさがダイレクトに味わえるピアノ・トリオ。
その中でも1級のパフォーマンス間違いなしのチック・コリアのトリオ。

そして、そのなかでも、1・2を争うこのメンツ “ ニュー・トリオ ” 。
そんな話(1番はどのトリオか的議論)を酒飲みながら誰かとしたいな。

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