試験にでる現代ジャズ ≪入門編≫

試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.015
Chris Potter Circuits Trio / Sunrise Reprise / 2021年
クリス・ポッター・サーキット・トリオ / サンライズ・リプライズ / No.3139

月曜日・新シリーズ!

ジャズって何から聴けばいいですか?」と問われること多し。
ソニー・ロリンズのサキソフォン・コロッサス」と答えたいのはやまやまだけど、このブログのコンセプトに従って2000年以降のアルバムという縛りで、わかりやすさ、かっこよさ、親しみやすさを第一に毎週1枚あげていきたい。

題して “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ”
(なんで試験やねん)よろしく!

試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.015

Chris Potter Circuits Trio / Sunrise Reprise/2021年
クリス・ポッター・サーキット・トリオ / サンライズ・レプライズ

クリス・ポッター変則トリオが切り取る時代のエッジ。
現代サックス・ジャズの最高到達点 !!!

Chris Potter Circuits Trio / Sunrise Reprise/2021年

Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Clarinet,
Flute, Keyboards, Composed By, Producer – Chris Potter
Drums – Eric Harland
Piano, Keyboards – James Francies
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

いや〜悩んだ、このアルバム “ 試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ ” にあげていいものかどうか。
こんな尖ったアルバム大丈夫だろうかと。でも考えてみると、

① 入門者=若い(少なくともオイラより)、のでアタマは柔軟
② サックスのアルバムて小難しいものばかり、これくらい突き抜けてるとかえっていいかも

じっさい、サックス・リーダーのアルバムってなかなかオススメできるものが少ない。
ということで、現代ジャズ・サックスのNo.1に名前のあがるクリス・ポッター、しかもトビキリ尖ったコンセプトの最新アルバムを≪ 入門編 ≫にあげることとした。

このアルバムは、まずサックスを中心にした変則トリオ。
何が変則かというと、ベーシストがいない。
クリス・ポッターの2019年のアルバム “ Circuit ” も同じメンバーだったけど、

そこから、ベーシストが抜けて “ Circuits Trio ” というわけだ。
ドラマーが、エリック・ハーランド、ピアノ&キーボードにジェームス・フランシスという布陣。

3人になったということは、自由度が上がったということ。しかし、それは諸刃の剣。
各人への負担も当然大きくなるし、それぞれに力量がないと場が持たないというか、楽曲の破綻も招きかねない。

まず、プロローグのような1曲目、何かが起こるかの予感。
そして2曲目、意外と凡庸(失礼!)なテーマ。でも、ソロに突入した当たりから空気が変わる。
そして曲が終わる頃には、このアルバムいいかも!となっている。

そして3曲目で圧巻のパフォーマンス、このアルバム傑作!と確信。
4曲目、甘くもなくビロードでもない力強いテナーサウンドでのバラードに胸が詰まり、手先まで震える。
ラスト、ダメ押しのポッター流スピリチュアルに陶酔(出だしスピリチュアル ?!て聴こえるだけで全然違う)。

全5曲54分、EPといってもいい尺だけど、これは凄い。
こんな密度の音楽、集中して聴く方もこれくらいが限度。
いやはや、ハリポタどえらいアルバム作りよった!

全編にわたって尖ったドラミングで脳を刺激するハーランド。
ピアノとシンセを自在に使い分け、時にベーシストがいるのではとさえ思わせる驚異のプレイで圧倒するフランシス。
そして、前作コロナ禍での1人マルチ録音アルバムを

発表したポッターの、3人でのレコーディングにあたかも魂が解放されたかのようなプレイ。
まさしく3人の鬼神のインタープレイに、魂がふるえる。

現代サックス・ジャズの最高到達点 !!!
入門者もベテランも、サクソフォニストを目指すヒト、
いや全て人に聴いてもらいたい傑作。
当然ながら、2021年を代表するアルバム確定だ。

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