2023年の20枚!

Ben Wendel / All One / 2023年
ベン・ウェンデル / オール・ワン

ベン・ウェンデルの演奏、作曲、編曲の魅力が全方位に遺憾なく発揮されたオール・ワンな作品。
This is an all-one work in which Ben Wendel’s performance, composition, and arrangements are fully and regrettably demonstrated in all directions.

Ben Wendel / All One / 2023年
ベン・ウェンデル / オール・ワン

Tenor Saxophone, Soprano Saxophone, Bassoon, Body Percussion, Arranged By, Producer – Ben Wendel
Alto Flute, Flute – Elena Pinderhughes
Trumpet – Terence Blanchard
Acoustic Guitar, Electric Guitar – Bill Frisell
Piano – Tigran Hamasyan
Vocals – Cécile McLorin Salvant (Tracks: 1 ), José James (Tracks: 5 )
Mastered By – Nate Wood

きょうも、最近の話題作から。
大好きなサックス奏者ベン・ウェンデルの新譜。

予備知識なく聴き始めて驚く。
ん ?! 今度はラージ・アンサンブルなのか。
しかも、1曲目は、 “I loves you, porgy” 。

コンボならまだしも、大編成の “I loves you, porgy” と言えば、
マイルス&ギル・エヴァンスが、真っ先に思い浮かぶではないか。
これは、自信がなければちょっと出来ない。

そして、マイルス&ギルの “porgy” に勝るとも劣らない出来栄え。
ヴォーカルのセシル・マクロリン・サルヴァント、
そして、ベン・ウェンデルのサックスが素晴らし過ぎる。 
冴えわたるアンサンブル&アレンジメント。

クレジットを見てまたビックリ。
このアンサンブルは、すべてベン・ウェンデルが1人でやっているのか!
どうりでアルバム・タイトルが “All One” 。

ただ、ゲスト・ミュージシャンは、ヴォーカルのセシルの他にも、
フルートで、エレーナ・ピンダーヒューズ、
トランペットのテレンス・ブランチャード、
ギターで、ビル・フリーゼル、
ピアノでティグラン・ハマシアン、
ヴォーカルで、もう1人ホセ・ジェームスが、参加している。

ただし、アンサンブルは、ほぼ全てウェンデルが重ねていて、
ゲストをフューチャリングという形で活かした編曲がなされている。

ゲストの個性を活かしつつも、
どの曲にもウェンデルらしい、クールだけど熱量たっぷりの美しさが宿ってる。
どの楽曲も素晴らしいけど、
特にテレンス・ブランチャードの2曲目とか、出色の出来だ。

それにしてもウェンデルのサックスの魅力だけにとどまらない総合力には舌を巻く。
特に低音の管の冴えとアンサンブルにはシビれるし、そこで暴れまわるソロは圧巻。
これをライブで大編成で演ってるの観たいな〜。

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