Piano Trio

Amaro Freitas / Sankofa / 2021
アマーロ・フレイタス / サンコファ / No.3239

「私はピアノが特定の階級のための楽器であるという固定観念を打ち破りたい。ピアノは確かに難しく、誰もが演奏できるものではないが、この楽器は全てを表現できるんだ」 – アマーロ・フレイタス
“I want to break the stereotype that the piano is an instrument for a certain class of people. The piano is certainly difficult and not for everyone to play, but this instrument can express everything” – Amaro Freitas

Amaro Freitas / Sankofa / 2021

Piano – Amaro Freitas
Bass – Jean Elton
Drums, Percussion – Hugo Medeiros
Producer – Amaro Freitas
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆

きょうも、ブラジルのアマーロ・フレイタス、2021年のサード・アルバム。

1曲目のタイトル・ナンバーを聴いてすぐに、また少し空気感が変わっていることに気づく。
抒情的になったというか、すこしECM的な匂いもする。
短いピアノのリフか少しづつ展開されながら物語が深まってゆく。
タイトルの意味は、こういうことらしい ↓ 。

「Sankofa」はアフリカのガーナやコートジボワールに住むアカン族の芸術に度々登場する伝統的なモチーフで、後ろを振り向いた鳥の意匠で表され、アマロ・フレイタスの今作のジャケットでも彼が着る服の左胸の部分にその意匠を確認することができる。サンコファは世界各地に散らばったアフリカン・ディアスポラにとって重要なシンボルとなっており、より良い未来を築くために過去を振り返ることの重要性を示すという。(Musica Terraより)

他にも3曲目 ” Baquaqua ” はマホンマ・ガルド・バクアクアという1845年に奴隷としてブラジルに連れてこられた実在の人物について捧げられているし、” Cazumbá ” は、神話上の雄牛をモチーフにしている。
そして、ラストの” Nascimento ” は、もちろんミルトン・ナシメントのことを歌っている。

つまり、これは時間をかけて練られたコンセプチュアルなアルバム。
彼の生まれた地域や境遇、そしてそのルーツや歴史に思いを馳せた内容となっている。

なるほど呪術的な、あるいは怒濤の盛り上がりを見せる部分はあるものの、全編を通して思索的でありながら愁いを帯びていてストーリーを感じさせる内容だ。

アルバム1枚ごとに異なるカラーを見せているアマーロ・フレイタスは、まだまだ進化・深化の過程にあり、いろんなアイデアも溢れているのかもしれない。今後がますます楽しみなピアニストだ。

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