Pianist and Keyboard player's albums

Greg Spero / The Chicago Experiment / 2022
グレッグ・スピーロ / ザ・シカゴ・エクスペリメント / No.4053

シカゴの若き才能が集結、ウルトラ・クールなジャズを展開!
Chicago’s young talents come together for ultra-cool jazz!

Greg Spero / The Chicago Experiment / 2022

Piano – Greg Spero
Drums – Makaya McCraven
Trumpet – Marquis Hill
Vibraphone – Joel Ross
Guitar – Jeff Parker
Bass – Darryl Jones
Tenor sax – Irvin Pierce
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Degree of
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
chill out / チル度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆
R&B feeling / ソウル度 ☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

今日は、イマっぽいジャズを紹介。

アメリカでも独自の音楽文化と、それを醸造してきた歴史を持つ街シカゴ。
そんな街の名前をタイトルに冠したアルバム “ ザ・シカゴ・実験 ”  。

ピアニストのグレッグ・スピーロが、盟友であるドラマー、ビート・サイエンティストことマカヤ・マクレイヴンを中心にトランペッターのマーキス・ヒル、ヴィブラフォンのジョエル・ロス、ベーシストのダリル・ジョーンズ、サックスのアーヴィン・ピアースらをスタジオに招き4日間にわたって即興演奏によるセッションをおこなってまとめ上げたのが、このアルバム。

メンバーの顔ぶれだけでそそられるし、新しいタイプのジャズだというのは予想がつく。
ジャズ・ビート・ミュージックとでも呼べばいいのだろうか、クラブ・ラウンジ(それどこ ?! )を想起するようなサウンド。

さしずめロバート・グラスパー・エクスペリメントのシカゴ版といったところだろうか。

しかし、これかっこいい。
でも、冷静に聴くとそれほどジャズ(特に最近の)と大きく変わらないのではないだろうか。

大きく違うのは、やはりベース・ラインだという気がする。
たとえばドラムは、4ビートでさえ昔ながらのシンバル・レガートを聴くことはなかなかない。細分化、ポリリズミックなドラミングがいまや普通だ。

前も書いたが、ポピュラー音楽の世界では、激しいベースの動き、あるいは音数多いベースラインは好まれない(売れない)。それは音楽を聴く環境の変化によるものだ。

このアルバムのように、ベースラインをシンプルに切り詰めることで、
ここまでジャズもクールになる、聴きやすいし、かっこいい。
若い世代のジャズメンが、こういったスタイルを打ち出すのも当然なのかもしれない。

なにもジャズのポピュラー化を望んでいるわけではないが、
どんどん敷居が高くなっていくのも困りものだ。

キモなのは、即興によるインタープレイという概念。
実際、そういうアプローチで創ったクールなジャズが、このアルバムだから。

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