Kendrick Scott

Jazz Drummers of Today
現代ジャズドラマー列伝

Kendrick Scott / ケンドリック・スコット/ No,003

“Concord” と契約し、着実に自らの道を歩み始めたケンドリック・スコットの確信!
“Kendrick Scott’s Conviction that he has signed with Concord and is steadily making his own way!

Kendrick Scott Oracle  / Conviction / 2013年
ケンドリック・スコット・オラクル  / コンヴィクション

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Drums, Composer, Voice, Synth, Arranged By – Kendrick Scott
Bass – Joe Sanders
Guitar – Mike Moreno
Lead Vocals, Guitar – Alan Hampton
Piano – Taylor Eigsti
Tenor Saxophone, Bass Clarinet – John Ellis

現代ジャズドラマー列伝 ≪ ケンドリック・スコットの巻 ≫ 第3弾も、
自らリーダーを務めるケンドリック・スコット・オラクル、2013年の「コンヴィクション」。

“オラクル” でのアルバムは、前回紹介のファーストから2枚目ということになるけど、
メンバーは、だいぶ入れ替わってピアノがテイラー・アイグスティに、
サキソフォンが、ジョン・エリス、
ベースがジョー・サンダース、
ヴォーカルでアラン・ハンプトンとなっている。

1曲目は、聖書の一節の朗読で始まる。
“ コンヴィクション ” =“ 確信・信念 ” 。
ケンドリック・スコットは誠実、マジメなヒトなのだ。

自身の曲が3曲、サンダースとの共作が1曲、アラン・ハンプトンとの共作が1曲。
あとは、ハンコックやデリック・ホッジ、ウォルター・スミスIIIなど。

全体の雰囲気として彩り豊かで、知的でグッド・センス。
コンテンポラリーなんだけど、小難しさに走らない。
意外とポップな一面もあったり、アレンジ多彩で都会的。

前回よりは肩の力が抜けてシンプルで聴きやすい感じはある。
ハラハラどきどき、あるいは狂おしい熱さはないけど、
ユニットとしての熟成度、完成度は高く、いい感じ。
曲間も、丁寧に、滑らかに繋がれていて好感触。

唯一代わらないメンバー、
ギターのマイク・モレノとの相性は相変わらず抜群だし、
テイラー・アイグスティの果たす役割も大きい。
各自の見せ場も十分だし、ケンドリック・スコットの全体をまとめる力量は申し分ない。

自主製作での友情出演に支えられた前作から、
“Concord” と契約し、着実に自らの道を歩み始めたケンドリック・スコットの確信!

Kendrick Scott / ケンドリック・スコット
– 1980年、テキサス州ヒューストン生まれ –

ドラムとの出会いは、両親そして兄が音楽活動に携わっていた教会でのことだった。ヒューストンの有名なHSPVA(High School for the Performing and Visual Arts)に入学し、そこで多くの賞を受賞。顕著なものは、ダウンビート・マガジン・スチューデント賞、国際ジャズ教育協会(IAJE)と全米芸術振興財団から贈られたクリフォード・ブラウン/スタン・ゲッツ・フェローシップ。
1998年、高校卒業後はバークリー音楽大学に入学し、2002年に卒業して以来クルセダーズ、パット・メセニー、ジョー・ロヴァーノとケニー・ギャレット、ダイアン・リーブス、リズ・ライト、グレッチェン・パラート、テレンス・ブランチャードなど、さまざまな有名アーティストと共演している。
シャープで明瞭でありながら太く心地よい音色、どっしりとしたグルーヴ感、幅広いダイナミクスを持ち、楽曲の本質的なところを大きく膨らましてゆく音楽感、センスに満ちあふれたドラミングが特徴。
セッション・ワークもさることながら自身のバンドをクリエイトすることにも大いなる才を発揮する時代のリーダー。

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