Drummer's albums

Sasha Mashin / Outsidethebox / 2018
サーシャ・マシン / アウトサイドザボックス / No.4219

ロシアン・ジャズ・最前線、サーシャ・マシンのデヴュー・アルバム!
The debut album of Sasha Mashin, the forefront of Russian jazz!

Sasha Mashin / Outsidethebox / 2018

Drums – Alexander Mashin
Trumpet – Alex Sipiagin
Soprano Saxophone – Andrey Krasilnikov
Alto Saxophone – Rosario Giuliani (Tracks: 1, 3, 4), Zhenya Strigalev
Trombone – Odei Al-Magut
Bass Guitar – Anton Davidyants (Tracks: 6)
Double Bass – Daria Chernakova (Tracks: 9), Makar Novikov
Piano – Alexey Ivannikov
Guitar – Evgeny Pobozhiy
Keyboards – Alexey Bakker
Vocals – Hiske Oosterwijk
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Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Individual Style / 個性的なスタイル ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

きょうは、先週紹介したベネズエラ生まれのピアニスト、ベニート・ゴンザレスのアルバムで6曲を叩いてたドラマーのアルバムを紹介。

サーシャ・マシン、モスクワを拠点に活躍するロシアのドラマー。
リリースしたのも、ベニート・ゴンザレスのアルバム同様サンクト・ペテルブルグのレーベルだ。

NYで活躍するトランペッター、アレックス・シピアジン、
ロンドン在住のアルトサックス奏者ジェニア・ストリガレフを招聘し、
サーシャが長年付き合いのあるロシアのトップジャズマンとともに創りあげたのが、このアルバム。
タイトルの “Outside the box” にあたるロシア語が「型破りに考える」という意味だそう。

なかなかオモシロよ、これ。
シャープで端正で透明感あるヨーロピアン・ジャズの空気を持ちながらも、
より野性味があるというか、野心的というか。

「型破り」と銘打っているとおり、オープニングから驚かせてくれる。
シピアジンとストリガレフが対位法のように絡み合うテーマが、かっこいい。
もう、このアイデアだけでアルバム通してもいいくらいなのに、
楽曲ごとに、目新しい挑戦や仕掛けがしてあって楽しめる。

前半は変拍子中心のばりばりコンテンポラリーな魅力で突き進み、
後半はよりファニーでトリッキーでアブストラクトな展開となる。

素晴らしいぞロシアン・ジャズ。
ジャズはすっかり世界共通言語だというのに、政治の世界の体たらくはじつに嘆かわしい限り。

USのシピアジン、
UKのストリガレフ、
そしてRUのマシンの創作活動に支障がないことを切に願ってる。

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