2022年のマスターピース!

Mark Guiliana / The Sound of Listening / 2022
マーク・ジュリアナ / ザ・サウンド・オブ・リスニング / No.4229

これまでの幾多の挑戦が見事に結実し、現在のマーク・ジュリアナが最高な状態で表現された傑作!
A masterpiece that represents Mark Juliana at his current best, the result of his many challenges to date!

Mark Guiliana / The Sound of Listening / 2022

Drums, Composed By, Producer – Mark Guiliana
Drum Programming – Mark Guiliana (Tracks: 7)
Synthesizer – Mark Guiliana (Tracks: 3, 5, 7)
Percussion – Mark Guiliana (Tracks: 10)
Bass – Chris Morrissey
Piano – Shai Maestro
Electric Piano – Shai Maestro (Tracks: 2)
Mellotron, Celesta – Shai Maestro (Tracks: 3, 5, 7)
Tenor Saxophone – Jason Rigby
Flute – Jason Rigby (Tracks: 5)
Clarinet – Jason Rigby (Tracks: 1, 5)
Bass Clarinet – Jason Rigby (Tracks: 1, 3, 5, 7)
++++++++++++++++++++++++++++++++++
JazzDog’s Rating ☆☆☆☆☆
Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Advance / アドバンス度 ☆☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Sentimental / センチメンタル度 ☆☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆☆
Relaxing / まったり度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

さて、今日はオイラの大好きなドラマー、マーク・ジュリアナの新譜。

アヴィシャイ・コーエン・トリオで名をあげ、
かなり異端なドラミングでありながらブラッド・メルドーとの作品、
ダニー・マッキャスリンとの作品、そして自らのアコースティックな作品や、
極端に異なるビート・ミュージック的な作品群で、
結局現代ジャズのど真ん中で語られる要注意人物だ。

今回の作品が、また素晴らしい。
テーマの提示的な内省的で感傷的なオープニングで幕開ける本作、
2曲目あたりから調子が上がってゆき、一気に引き込まれる。

メンバーは、以前のアコースティック・サイドで共演してきた、
ベースのクリス・モリッシー、
サックスのジェイソン・リグビー、
ピアノのシャイ・マエストロだ。

激しさを感じられる曲の間にはシンセ(本人の演奏)やクラリネットの優しい音調で
メロディアスな優しい感傷が差し込まれ、そこら辺メルドーとの作品とも共通した空気を感じる。

ジュリアナは、新しいグルーヴを創りだすことに力を注いできたし、
その結果は、このアルバムでも十二分に発揮されている。
そういう意味では、このジュリアナ&マエストロという組み合わせは、
ディジョネット&キース・ジャレットの組み合わせにも匹敵するのではないだろうか。

この組み合わせでスタンダード集を出せば、そのことは如実に分かると思うんだけどな、やらないだろうね。

この作品では、ジュリアナが別サイドでやってきたビート・ミュージック的なアプローチも見せ、それが見事に融合されたアルバムでもある。

これまでの幾多の挑戦が見事に結実し、
指向というか思想というか哲学的な深みも加わり、
いまのマーク・ジュリアナが最高な状態で表現された傑作だ。

「アメリカはかつてないほど分断が進んでいるけれど、日常生活では異なるものに共通点を見つけるよう努めている。音楽ジャンル間でもズームアウトして共通点を見つけ、誠実に、個性を保ちつつ、様々なものを取り込んでいきたいんだ」

「The sound of listening」のタイトルとアイデアは、ベトナムの禅僧・詩人ティク・ナット・ハンの著書『Silence』から引用したもので「世界を真剣に観察するために必要なインナー・サイレンス」とマーク自身語っている。

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