UK Jazz

Kinetika Bloco / Legacy / 2021
キネティカ・ブロコ / レガシー / No.4140

UKジャズの力強さを象徴するキネティカ・ブロコ設立21周年記念アルバム!
An album celebrating the 21st anniversary of the establishment of Kinetika Bloco a symbol of the strength of UK jazz.

Kinetika Bloco / Legacy / 2021

Trumpets – Mark Kavuma, Claude Deppa, Sheila Maurice-Grey, Lily Carassik, Ife Ogunjobi
Trombones – Nathaniel Cross, Misha Fox, Richie Seivwright
Flute, Clarinet, Bass Clarinet – Mebrakh Haughton- Johnson
Flute – Sam Reyntiens
Soprano & Tenor sax – Ruben Fox
Alto sax – Kaidi Akinnibi, Aneira Jenkins
Tenor sax – Nubya Garcia
Tuba – Theon Cross, Kyle McInnis
Organ, Piano – Reuben James
Guitar – Artie Zaitz
Drums – Sam “Blue” Agard, David Mrakpor, Paul Goumou
Percussion – David Mrakpor, Shayanna Dyer Harris, Andre Johnson, Keiran Pearson
Steel pan – Marlon Hibbert
Vocals – Shayanna Dyer Harris
Spoken word – Andy Grappy
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆
Fantastic / ファンタジック度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
Latin Flavor / ラテン度 ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

金曜日にも紹介したUKジャズの最重要人物、
サンズ・オブ・ケメットのメンバーとしても注目を浴びるチューバ奏者テオン・クロスの参加アルバムをもう1枚。

キネティカ・ブロコとは個人名でもバンド名でもなく、
音楽家、作曲家、教育者であった故マシュー・ジョン・フォックス(通称マット)が、
2000年に設立したロンドンの音楽慈善団体の名称。
近年、多くの若手ジャズ・ミュージシャンを輩出していることでも知られる団体だ。

このアルバムは、キネティカ・ブロコの21回目の誕生を祝うもので、
この組織の最も有名な卒業生が出演している。

楽曲は、マットがバンドのために書いた3曲と、他の作曲家による6曲が収録されている。

エリントンのおなじみのナンバーでの幕開け、ファンク的味つけがおもしろい。
2曲目のオリジナル “ Remedy ”は、ブリクストンとジャマイカ文化へのトリビュート。
3曲目もオリジナルで、ブラジル風リズムのだけど彼らのミクスチャーなアレンジで、不思議な魅力。
ここまで、動きのあるテオンのチューバが実に躍動的に全体を引っぱる。

4曲目から美しいバラード。
ついで詩の朗読を挟んで後半には、ギターが加わりややしっとり目に、いい空気。

8曲目で、ツイン・チューバとハンドクラップで大いに跳ねる祝福の曲。
ラストも、パンチのある派手なホーンとチューバのベースラインに、
ハモンド、トロンボーンの加わるファンキーなナンバーでご機嫌に締める。

全編のアレンジにカリビアン色、そしてそれだけではないUK的なミクスチャーが感じられて楽しい。

単に音楽的探求にとどまらず、
『若者が芸術の分野でキャリアを築き、社会全体の中で成熟した責任ある個人となることを長期的に支援することを目的』
として地域社会と人々の繋がりについて先進的な役割を演じてきた彼らの活動。

現代のUKジャズの力強さをになう21周年記念アルバム。

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