UK Jazz

Chelsea Carmichael / The River Doesn’t Like Strangers / 2021
チェルシー・カーマイケル / ザ・リヴァー・ダズント・ライク・ストレンジャー / No.4205

父親が故郷を流れる川について語ったことにインスパイアされたタイトル。
Title inspired by his father’s story about the river that runs through his hometown.

Chelsea Carmichael / The River Doesn’t Like Strangers / 2021
Tenor Saxophone, Written-By – Chelsea Carmichael
Bass, Written-By – Tom Herbert
Guitar, Written-By – David Okumu
Drums, Written-By – Edward Wakili-Hick
Written-By, Producer – Shabaka Hutchings
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JazzDog’s Rating ☆☆☆☆
Degree of
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆☆
Spiritual / スピリチュアル度 ☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆☆

きょうも元気なUKから、いってみよう!
最近注目株のサクソフォニスト、チェルシー・カーマイケルの2021年デビュー・アルバム。

彼女はマンチェスター出身、ロンドンを拠点に活動するサックス奏者、アレンジャー、作曲家。
テオン・クロスやコートニー・パインらのツアーメンバーでもあり、シード・アンサンブルや自身のチェルシー・カルマイケル・アンサンブルでも活躍している。

一聴して分かるダブでサイケデリックなサウンドは、もろシャバカ・ハッチングス・チルドレンな感じ。それもそのはずハッチングスがプロデュースを務め、レーベルも彼のレーベルだ。

熱さの点では本家には敵わないが、より思索的で全体の音を聴きながら自らの音を紡いでゆく、響かせてゆくようなイメージ。そしてメロウな曲では、彼女はインプロというよりサックスで歌うSSW(シンガーソングライター)という感じがある、おもしろい。

とは言えダビーなサウンドは結構ずっしりと重くて、全体として近未来ディストピアSFのサウンド・トラックのような空気をもっている、かっこいい。

楽曲ごとにギターだったりベースだったりの彩りが豊富でアキさせない構成だし、とくにギターのデイヴィッド・オクムが独自の音世界を構築することに大きく貢献している。
それから、なんといっても扇情的なエドワード・ワキリ・ヒックのドラミングが堪らん。

明解でディープなリズムでグルーヴを創りだすベース&ドラム。
幻想的で浮遊感あふれる音空間をたった一人で創りだすギター。
太く分厚い咆哮で、
光のように、波のように、ときに火山のように猛々しいサックス。

なかなか素晴らしいカルテット、UKジャズはタレント豊富。

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