試験にでる現代ジャズ ≪入門編≫

Contemporary Jazz for Exams≪ Introductory Edition ≫Vol.040
試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫ Vol.040
Keyon Harrold / Mugician / 2017
キーヨン・ハロルド / ミュジシャン / No,3295

僕は、なによりもメロディーを大事にしている。どんな人が聴いても分かるメロディーのある音楽がやりたいんだ。
I value melody above all else. I want to make music that has a melody that anyone can understand.

Keyon Harrold / Mugician / 2017

Trumpet,Vocals – Keyon Harrold
Drums – Chris “Daddy” Dave (tracks: 5 to 7, 11)
Drums – Mark Colenburg (tracks: 1 to 4, 9, 12)
Electric Piano – Shedrick Mitchell (tracks: 4)
Guitar – Nir Felder (tracks: 1 to 4, 9, 12)
Piano,Organ – Shedrick Mitchell
Tenor Saxophone, Bass Clarinet – Marcus Strickland(tracks: 2,12)
Vocals – Andrea Pizziconi (tracks: 4, 11)
++++++++++++++++++++++++++++++++++
Degree of
Dramatic / ドラマチック度 ☆☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆
Wistful / 哀愁度 ☆☆
R&B feeling / ソウル度 ☆☆☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆☆

試験にでる現代ジャズ ≪ 入門編 ≫、きょうはトランペッター、キーヨン・ハロルド。

さて先日11月20日のNHKスペシャル『この素晴らしき世界 分断と闘った ジャズの聖地』を観た方もいるかもしれない。

世界最悪のパンデミックが吹き荒れていたNYで、いわれのない差別を受けた当事者としてジャズ・ミュージシャンの海野雅威(うんの ただたか)とともに紹介&クローズアップされていたのが、このキーヨン・ハロルドだ。

2015年のドン・チードル監督のマイルス・デイビスの伝記映画『Miles Ahead』で、トランペット演奏をすべて担当し、サウンドトラックでグラミー賞の視覚媒体用最優秀コンピレーション・サウンドトラック賞を受賞したのが彼だ。

キーヨン・ハロルドの音楽は、R&B、ファンク、ヒップホップ、スカなどラテン、そしてクラシックと
あらゆる要素を内包している。よりR&Bの要素が濃くて楽曲優先なところもある。

コモン、ビヨンセ、エミネム、ディアンジェロ、エリカ・バドゥ等とも共演を重ねて来た存在。
メロディ・ラインとビートがハッキリしていて、ボーカルやサンプリング、ヴォイスの導入も普通。
ジャズ初級者にも入りやすい内容だ。

哀愁と外連味たっぷりで、日本人のハートをがっちり掴みそう。
2曲目とか、もう時代劇のテーマ曲みたいで驚く。

タイトルの “Mugician” は、 “magician”と “Musician”からの造語らしい。
ドン・チードルが彼を“音の魔術師”と称賛したことに起因している。

僕はストレートアヘッドなジャズも大好きで、ビリー・ハーパーやチャールズ・トリヴァー、エリック・ホワイトとかとプレイするのも楽しいんだけど、一方でジャズだけの人間ではないと思っている。ヒップホップもR&Bもゴスペルもソウルも好きだし、レディオヘッドやビョークも聴くから、そういう自分を反映した作品を作ろうと思った。トランスフォーマーみたいに色々な部品が合わさってひとつの作品ができあがる。『The Mugician』はそういう作品なんだ」

伝統的なジャズを愛しつつも、あらゆる要素をのみ込んで、新たなジャズを模索するキーヨン・ハロルド。
何よりもメロディを大切にしたいという彼の世界に触れてみよう。

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