Grammy Awards 2020

“ Don't think! Feel ”  そして “  Be Water ” / 我らが師ブルース・リー(李小龍)の言葉より

Christian Sands / Be Water / 2020年
クリスチャン・サンズ / ビー・ウォーター / No,2225

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先週紹介したクリスチャン・マクブライド・トリオのピアニスト、クリスチャン・サンズの新譜を紹介。

クリスチャン・マクブライドの秘蔵っ子として目覚ましい活躍中のクリスチャン・サンズ

https://www.jazzdogs.bar/entry/2020-07-29-christianmcbride

こちらとか、

https://www.jazzdogs.bar/entry/2020-07-30-christianmcbride

このアルバムのタイトル “  Be Water ” は、なんとブルース・リーの言葉からとられたものらしい。じっさい曲のタイトル “  Be Water I ” と “  Be Water II  ” では冒頭にブルース・リーのサンプリング音がミックスされている。

心を空にするんだ。形を捨てて水のように。
水をカップに注げは、水はカップとなり。
水をボトルに注げば、水はボトルとなる。
そしてティー・ポットに入れればティー・ポットになる。
水は流れる事も砕く事もできる。
友よ 水になるんだ。
(ブルース・リーの言葉)

この言葉は、2019年から続いた香港民主化デモにおいても民衆のスローガンとなった言葉らしい。

アルバム内容は、「水という物質のもつ流動性や順応性」からインスパイアされた10曲で、哲学的な発想も生む水をテーマにしたコンセプト・アルバム。

クリスチャン・サンズは、子供のころ武道を習ってたらしい。そういえば、カマシ・ワシントンはこちらで“ ドラゴン 怒りの鉄拳 ” のテーマ

をやってたよね。仮面ライダーの次に、リアル・ヒーローとしてブルース・リーを仰いだ身としては非常にうれしい。

激しめの曲もあるけど、ゆったりの曲が多く文字通り流れるようなサウンド。ときおり聞こえる小川、雨音、オールがたてる水音などのサンプリング音と相まって、やさしくたおやかな雰囲気。そして何より清涼感、透明感のあるサンズのピアノの音は、いまの季節にピッタリだ。

前作、 “  Facing Dragons ” (おおっと、ここにもドラゴン!)

から、変わったドラムのクラレンス・ペンが非常にいいし、サンズのアルバムに3連続で参加する中村恭士の相性も抜群、存在感をしめしてる。サックスで参加のマーカス・ストリックランドはもちろんのこと、初参加のマーヴィン・スウェルのギターがこれまたいい。

それから、今回8曲目に加わったストリングスのアレンジは、音楽学校の同級生である挟間美帆が担当したらしい。

いや〜なにかと楽し、うれしい一枚。

Degree of
Conceptual / コンセプチュアル度 ☆☆☆
Aesthetic / 美しい〜度 ☆☆
Romantic / ロマンティック度 ☆☆
Lyrical / リリカル度 ☆☆☆
Healing / ヒーリング度 ☆☆
Ensemble / アンサンブル度☆☆
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
Piano, Keyboards, Voice, Fender Rhodes (1, 2, 3, 10)
Hammond B2 (5) – Christian Sands
Bass – Yasushi Nakamura
Drums – Clarence Penn
Guitars (1, 5, 9, 10) – Marvin Sewell
Tenor Saxophone, Bass Clarinet (3, 5, 10) – Marcus Strickland
Trumpet, flugelhorn (3, 10) – Sean Jones
Trombone (3, 10) – Steve Davis

String Quartet (8)
Arranged by – Miho Hazama
Violin 1 – Sara Caswell
Violin 2 – Tomoko Akaboshi
Viola – Benni von Gutzeit
Cello – Eleanor Norton


Christian Sands – Be Water I (Official Audio)

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