現代の “ ジャズ・メッセンジャーズ ” ニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット。2013年にピアニスト 大林武司とドラマーユリシズ・オーウェンズ Jr.が出会い意気投合、そしてバンド結成。

New Century Jazz Quintet / Time Is Now / 2014年
Trumpet – Benny Benack
Alto Saxophone – Tim Green
Bass – Yasushi Nakamura / 中村恭士
Drums, Producer – Ulysses Owens Jr.
Piano – Takeshi Ohbayashi / 大林武司
Trombone [Guest] – Michael Dease (Track: 1, 2, 4, 5, 7, 8)
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Degree of
Thrilling Sounds / スリリング度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆☆
Feel good / ご機嫌度 ☆☆☆☆
Funky / ファンク度 ☆
Groove / グルーヴ度 ☆☆☆
Modern Contemporary / 本流回帰度 ☆☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆☆
Stylish cover arts / ジャケ買い度 ☆
先週紹介のエンリコ・ピエラヌンツィ “ ニュー・ヴィジョンズ ” で叩いてたドラマー ユリシズ・オーウェンズ Jr. と日本人ピアニスト 大林武司が結成したバンド、それがニュー・センチュリー・ジャズ・クインテット。
2013年に大林武司とユリシズ・オーウェンズ Jr.がニューヨークで初めて共演した時、ユリシスは大林の演奏スタイルにマルグリュー・ミラーからの影響を強く感じたという。ユリシスは生前のマルグリューを指導者と仰ぐ深い親交があり、大林にとってもマルグリューは最も敬愛するピアニストの一人だった。共通の師を持つ二人は初共演の時から意気投合しその後共演を重ねて行く。
ということだ。現代の “ ジャズ・メッセンジャーズ ” と呼べるストレート・アヘッドな、ド直球ジャズ。
トランペットとサックスの2管体制で、10曲中6曲はゲストのマイケル・ディーズが加わり3管というこの上なく理想的な構成でのハード・バップ、モード・サウンドが楽しめる。
ユリシスと大林が真っ先に上げた名前はベーシストの中村恭士。中村とユリシスはジュリアード音楽院で一緒に学んだ仲。
次に上がった名前はアルトサックスのティム・グリーン。歴代の名サックス奏者のサウンドの延長上に作り上げたティム独自のソウルフルで歌心溢れるプレイは、バンドのコンセプトを具現化するために必要不可欠であった。最後に上がった名前は若き驚異的なトランぺッター、ベニー・ベナック。彼はユリシスと一緒に2012年のウイントン・マルサリスが選んだ次世代にジャズの灯火を引き継ぐ若きジャズ・ミュージシャンの一人にピックアップされた逸材。(diskunion.netより抜粋)
大林武司が2曲、ベニー・ベナックが2曲、中村恭士2曲、マイケル・ディーズ1曲という提供から、ほぼバンドへの貢献度がわかるけど、サウンドを聴く限り、やはりユリシズ・オーウェンズ Jr.のリーダーシップが大きいのがわかる。
オーウェンズが曲を引っぱるというか、全体を鼓舞するシーンが、なんとも頼もしい。
自らクリスチャン・マクブライドから学んでいるものを、仲間達にシェアしている雰囲気が伝わってくる。
全編にわたって、気持ちのいい王道サウンド。
1曲目の大林の曲、2曲目の師と仰ぐマルグリュー・ミラーの曲、ベニー・ベナックの8曲目とか、素敵な楽曲目白押しで、飽きること無く1枚をあっという間に聴き終えてしまう快作だ。