2020年の20枚!

Jonathan Barber & Vision Ahead / Legacy Holder / 2020年
ジョナサン・バーバー&ビジョン・アヘッド / レガシー・ホルダー / No,2275

コンテンポラリーでありながら空間の拡がりと躍動感あふれるサウンド。伝統を活かしながらイマのジャズを創造する “  Legacy Holder ” 。

ジョナサン・バーバーをもう一発。こちらは本年出たセカンド。
ファースト “ Vision Ahead ”  は、バンド名だったんだね。

ということで、同じメンツ。ゲスト・ボーカルだけが代わってる。

基本、前作とテーストは変わらない。
1曲目、ボーカル曲でかっこいい。しかも、バスドラの4つ打ちとかいきなりくるけど、不思議とめちゃカッコいい。

この人の、このポップな感覚というのがジャズを救うような気がする。
小編成のコンボだけど、むしろパット・メセニーあるいはマリア・シュナイダー・オーケストラのような世界観がある。

もちろん、あんなに広大な空間を埋めるような世界ではないけど、聴衆を味方にするスベを知っているというか、コンテンポラリー・ジャズの負の部分(分かりにくさ、あるいは自己満的部分)をよく分かってるというか。

世界は、歌を求めてるし(あるいはストーリーを求めてるし)、流れ、共感、メロディの動きがあって初めて、崩しや外しも活きてくる。だからこそ、スタンダードやカヴァー曲がいつだって人気だ。そう、流れやメロディの魅力の感じられないコンテンポラリーは、確かに結構ある。

そんな普通の感覚を忘れない、高度なテクニックとポップをミックスする楽曲。
自主制作というか自分達レーベルなのか、情報があまりなくて彼個人の作曲なのかグループでの作曲なのか、今ひとつ分からないけど “ ジョナサン・バーバー&ビジョン・アヘッド ” から目が離せない。

ボーカル入りは先頭の1曲のみで、前作よりジャズよりだけど、シンプルなあるいは美しいリフの繰り返しと躍るリズムが組み合わさって作り出される躍動と気持ちよさ。そこに乗っかる各人のソロ。そして後半ドラムの見せ場。ますます、いい調子だ。

“ レガシー・ホルダー ” とは、伝統をきっちり捉えつつも新しいものを生みだすという自分たちの姿勢の表れ。いや〜いいアルバム、オススメです。

Degree of
Contemporary / コンテンポラリー度 ☆☆☆
Elegance / エレガント度 ☆☆☆
Ensemble / アンサンブル度 ☆☆
Stylish / スタイリッシュ度 ☆☆☆
Ambient / アンビエント度 ☆☆
Affinity / ジャズ初級者度 ☆☆
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Drums – Jonathan Barber
Piano, Fender Rhodes, Synthesizer – Taber Gable
Guitar – Andrew Renfroe
Alto Saxophone – Godwin Louis
Bass – Matt Dwonszyk
Vocals – Mar Vilasec(Track1)

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